最近になりようやく遠近のキャンプ場で通常営業を始めるところが見受けられてきましたが、まだまだ例年通りというわけではありません。外で思い切りキャンプを楽しみたい方ももう少しの辛抱でしょう。
そんなアウトドアを楽しみたくてうずうずしている方々のために、自宅の省スペースで簡単かつ低コストで楽しめるダンボール燻製をご紹介いたします。
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アウトドアでの燻製とは
燻製とは食材に煙を浴びせる(燻煙する)ことでその食材に風味を加えることができる調理方法です。
保存性を高める効果もあります。
燻煙の方法としては温度の高いもの順に熱燻法、温燻法、冷燻法の3つに分けられます。
熱燻法は約80℃〜140℃の高温で短時間燻煙をかける方法です。
加熱が必要となる食材の燻製に用いられ、短時間でできるためアウトドアのシーンで行いやすい方法です。
温燻法は熱温度は30℃〜80℃の中間層にあたるもっとも一般的な燻製方法です。燻製時間は数時間〜1日程度要します。
完成した食材には適度な水分も残るため長期の保存には向きませんが、食材を柔らかく食すことができます。
もっとも温度の低い冷燻法は15℃〜30℃くらいで長時間燻製する方法です。
時間をかけてゆっくり燻製するため食材の水分量も少なくなり、長期間の保存も可能になります。
食材に歯ごたえをしっかり残した状態で食すことができます。
スモーキングウッドとチップの違い
燻製に使用する木材は主にブロック状のスモーキングウッドと細かいチップ状のスモーキングチップの2種類に分けられます。
スモーキングウッドは直接ブロックに火をつけて燻製器に投入し燻製します。
直接火は見えませんが常に煙が出ている状態で萌え続けるため、冷燻法〜温燻法に用いられやすいです。
対してスモーキングチップは直接火をつけるのではなく、アルミ皿などの上に敷いて下からバーナーなどの熱源を用いて熱しながら燻製する方法です。
常にバーナーなどの高温熱源が燻製器の中にあるため熱燻法など高温で燻製をしたいときに用いられやすいです。
今回のようにダンボール製の燻製器を使用する場合は引火しやすいという点を考慮し、スモーキングウッドを用いるのが望ましいでしょう。
ダンボール燻製で使用する道具
ダンボール燻製に必要な道具はそれほど多くありません。
最低限必要な道具としては、荷物の梱包として、あるいはスーパーで気軽に手に入るダンボールのほか、ダイソーにも売っているBBQ用の網、燻製に使用するスモーキングウッド、アルミホイル(アルミ皿)、これだけです。
あとは必須ではありませんが、ダンボールの隙間を埋めるためのテープや、温度確認用の温度計などもあると便利でしょう。
今回はダイソーでダンボールと網、アルミ皿、テープがセットになって300円で売っているものを使用します。
スモークウッドはホームセンターで購入しました。
いくつか種類がありますが今回は、燻製の色が付きやすいなら材を使ってみます。
燻製で使用する食材
今回使用するのは比較的初心者向けのチーズとゆで卵に加え、初挑戦の手羽先です。
チーズやゆで卵、ナッツ類などそのままでも食べられるものは失敗しにくく初心者でも挑戦しやすい食材です。
ゆで卵はめんつゆなどにつけ置きしてから燻製するくんたまが絶品なのですが今回は時間がなかったのでそのままのゆで卵です。
ポイントとして、燻製の際に食材の水分が煙と反応し酸っぱくなってしまうことがあるため、食材の水分はあらかじめキッチンペーパー等で拭いておきましょう。
今回使用する手羽先は前日に購入したものを塩15g、砂糖5g、クミン少々、そして庭で栽培しているローズマリー少々と一緒にジップロックへ入れて振ってなじませました。
一晩なじませたものを軽く洗って水分を拭き、冷蔵庫で3時間ほど乾燥させたものを使用します。
時間があるときは半日から1日程度乾燥させたほうが良いでしょう。
ダンボール燻製の手順
手順については特に面倒なことがありません。道具を揃える工程がもっとも面倒な工程と言っても良いでしょう。その点ダイソーのセットは1つずつ道具を買い集める手間もないのでありがたいですね。
手順①道具のセッティング
まずは道具のセッティングです。
ダイソーのダンボールは当たり前ですが燻製用に作られているため、一般的なダンボールのように切って形を揃えたりなどの加工が不要です。
折り目に沿って箱を組み立てるだけで簡単に作れました。
そして嬉しいのが網を置くためのくぼみがあることです。
他のダンボールを使用する際には網を置くために四隅を竹串などで引っかかりを作ってあげたりする必要がありますが、こちらのセットは折ってくぼみをつけるだけで簡単にジャストサイズの網を乗せることができます。
ダンボールに合うサイズの網を見つけるのも一手間になるんですよね。
手順②食材のセッティング
網の上に食材を並べていきます。
しっかりと煙を浴びるように食材同士が重ならないよう意識しながら並べましょう。
手順③燻製実行
実際に燻製していきます。アルミ皿においたスモークウッドをバーナーで着火し、ダンボール横の投入口からセットします。
今回購入したスモークウッドは3つ入りで売られており、1本あたり約90分の燃焼時間となっております。
とりあえず1本投入し様子を見ることとします。
上面を炙り投入し、10分後にダンボール内の温度をみて見ると33.6℃となりましたがそこからなかなか上がりませんでした。
1度取り出して確認して見るとウッドがうまく燃焼できていなかったようです。
上面に加え他の側面も全て炙り直し大量の煙が出ていることを確認し再度投入。
温度を測って見ると50℃程度となり、その後も50℃以上をキープしました。
完成したものがこちら
3時間半ほど燻製したものがこちらになります。見た目はかなりいい感じに仕上がっています。
触った感じ手羽先の表面はかなりパリパリとしており表面の水分が飛んだ印象が伺えます。
チーズはかなり柔らかい印象で、持つと崩れてしまいそうでした。アルミホイルなどの上に乗せて燻製すればよかったのかもしれません。ゆで卵は完食こそほとんど変化ないものの、香り、色付きともにかなりいい感じです。
スモークウッドも燃焼時間90分と記載されておりましたが、煙の勢いは2時間以上続き、勢いがおおよそ収まってからもウッドの燃焼は続いており50℃以上で3時間程持ちました。
また、スモークウッドの真上に置いていた食材と、周辺においていた食材で色付きと感触にやや差が生じていたので、途中で中の様子を確認する際に食材の場所も変えてあげたほうがいいかもしれません。
実際に食べた感想
まず、燻製直後に少し味見してみました!
チーズはかなりいい仕上がりで、ボイルしたウィンナーのように外は水分が飛びパリッと、中は水分を保ちながらホクホクとした印象です。
ビールのつまみに最適!卵も香りがついていい感じに仕上がっておりましたが特に味付けしていないので塩を少し付けていい感じでした!
手羽先は外側の皮部分は干し肉のように噛みごたえがあり、仕込んだ調味料もしっかり浸透して絶品!
ただ、中の方は熱が足りなかったのか、まだ柔らかい部分もありました。
燻製直後は燻煙の匂いも強いため、匂いと味をなじませるため残りは冷蔵庫で半日ほど寝かせました。
寝かせたものは燻製直後よりも匂いが程よく落ち着き、素材の味も燻製直後より味深く感じました。
自宅でダンボール燻製を行なった感想
今回の段ボール薫製は自宅の庭で実施いたしました。
段ボールがほぼ密閉されているためほとんど煙を気にすることなく楽しむことができました。
途中で中の状態を確認する際には一時的ですが充満している煙が一気に放出されます。
我が家は近隣の住宅がそれほど密でないためあまり気になりませんでしたが、都会など密接した住宅やマンションのベランダなどでは注意が必要かもしれません。
まとめ
材料費の総額は食材も含め千円程度でかなりリーズナブルでした。味に関してもお店に売っている燻製食品とは一味違い、自分で作るというスパイスも加わってとても味わい深いものができました。
ただ、今回のような手羽先など、ある程度熱を通したほうが安心安全に食べられる食材に関しては、今回の温度設定、時間設定だと生っぽい部分もありましたのでもっと時間をかけるか高温で燻製したほうが良いかもしれません。
また、ありがたいことに使用したダンボール燻製器は内部に煙の色が付いたものの、その他はほとんど劣化がみられませんでしたので、再度使用できそうです。
皆さんもお家で過ごされるちょっとした時間に、少し手間暇をかけて絶品のおつまみをダンボール燻製で作ってみてはいかがでしょうか。