山専ボトルとは、サーモス株式会社(「水筒といえばサーモス」と言われるほど古くからある有名メーカー)が販売している山専用ボトルの呼び名です。平たく言えば、山に行く人が「寒暖差や頑丈さに耐えられる保温・保冷に優れた水筒が欲しい」と考えられた商品で、アウトドア業界では通称『やません』と呼ばれています。口径の大きさから素材までが丁寧に・シンプルに作られていて、山に行かずとも普段使いしたくなるものでもあります。今回はその山専ボトルを丸ごと解説しながら、長く愛用できるようにメンテナンスやパッキンについて深めていきます。
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サーモスの山専ボトルの最大の特徴【保温・保冷力】【軽くて丈夫】
山専ボトルの特徴① 保温性が優れている。
何と言っても山専ボトルの強みは保温性の高さ!実際に実験してみました。一度、沸騰させたお湯(100℃)を一般的な水筒と山専ボトルにそれぞれ入れて、30分後の温度を測定してみました。
実際に雪山に持って行ったことがありますが、朝沸かしたお湯はお昼過ぎまで湯気が立ち込めるほど温かく、冷えた身体に染み入りました!
山専ボトルの特徴② とても軽くて頑丈!
アウトドア用なのもあって、とても軽いです。500mlなら、約280g(シリコンカバーなしなら約260g)でリンゴくらいの重さ(約290g)です。普段も鞄の中をスッキリ軽くさせたい、あまりものを持ちたくない方からしたら嬉しいかなと思います。シリコン製の底カバーは衝撃を吸収してくれますし、ボディリングも滑り止めの役割をしっかり果たしてくれます。
山専ボトルを解剖してみよう!
まず、どのような水筒なのでしょう?中身を大きく分けて、見てみましょう。
写真のようにすごくシンプルです。下手したら、普段使いのものよりシンプルな構造なのでは?と思う時もあります。ただ、アウトドア好きが愛用している理由はシンプルさだけではありません。高い保温性や軽さなどの機能性も十分です。その中でも今回は山専ボトルのパッキンについて見ていきます。
中栓にパッキンが2か所あります。パッキン自体の取り外しも簡単で洗いやすい構造になっています。ちなみに、中栓はダブルスクリュー栓(両方がねじのようになっている構造)で中身が漏れにくく、少ない力で開閉が可能です。
寒い日に熱いものを水筒に入れて漏れないようにフタを思いっきり締めて、いざ飲もうとした時に開かなくて困る…または、頑張ってフタを開けたと思ったら勢い余って中身をこぼしてしまうなんてことありませんか?…わたしも、よくやります。ただ、この山専ボトルは中栓が二つに分かれているので、開けるときに空気が入りやすいのか、意外と簡単にプシュッと開きます。
山専ボトルのパッキン劣化の原因とメンテナンス方法
水筒を長く使いたいのに、パッキンの茶しぶや黒ずみを見てはハーっとため息が出る。特に黒くなっている場合はカビの可能性があります!要注意!
黒カビは湿気が多いところを好みます。水筒や浴室など完全に乾燥することが難しい場所で、水分が残ったままの状態を長時間放置することによって、より発生しやすくなります。さらに乾燥させたはずなのに、カビが生えてきたということもあります。それはパッキンの深くまでカビが侵入していて、温度や湿度の上昇とともに繁殖する力が高まってきたということです!
この場合は、虫歯の治療と同じように、原因となるカビを元からすべて取り除く必要があります。
方法としては
①食器用漂白剤(塩素系か酸素系)を使う、②重曹やお酢などを使うがあります。
食器用漂白剤は簡単で手間要らず便利ですが、人によっては残る臭いが気になる・口に入る水筒にはあまり使いたくないという考えもあります。その場合、②重曹やお酢を使う方法があります。
50度くらいのお湯500mlに対して両方とも大さじ1杯ずつ(15g)入れて、カビを取りたい場所がすべて浸かるようにします。カビの状態によって2時間以上~ひと晩で様子を見ましょう。お酢の匂いが残るのでは?と思うかもしれませんが、重曹と組み合わせることで臭いも残りづらく、終わった後に食器用洗剤で洗い流せば、あまり気になりません。
ただし、元々お酢独特の臭いが苦手な人は同じ酸性のレモン汁を使っても同じ効果が期待できると思います!
洗浄後もレモンの爽やかな香りが残ります。ぜひ、自分に合った方法をいろいろ試してみてくださいね。
それでも劣化・破損したらどうする?
それでも、カビが落ちない場合は諦めて新しい水筒を買う…より、パッキンを交換した方が断然お得です。ちなみに、わたしの場合、使用頻度は季節やタイミングによって異なりますが、購入してから5年経ってもパッキンの劣化・破損は見当たりません。個人的に、元々茶渋やべたつきが気になるので、お湯か熱いお茶しか入れて使っていないのも影響あるかもしれませんが…。
ちなみに、サーモス株式会社公式HPでは
パッキンの消耗による漏れの場合、パッキンを交換すると漏れなくなります。
パッキンは1年を目安にご確認いただき、消耗している場合は交換してください。
公式HPより
と、あります。使う頻度や入れる中身によってパッキン劣化や破損具合も異なるとは思いますし、交換したいタイミングも人によって違うと思います。ただし、パッキンの交換はとっても簡単!です。形さえ間違えなければ、古いものを外して新しいものを付けるだけ。お得に長く愛用するために、交換を考えている人はぜひ。
中栓パッキンに種類はあるのか?
ちなみに、パッキンに種類はありません!山専ボトルは「FFX(品番)-○○○(内容量・シリーズ番号)」で示されていて、今現在はFFX(山専ボトル)-○○1シリーズが主流です。すべてのFFX(山専ボトル)のパッキンは内容量に関わらず、同じ型で同じサイズです。サーモスHPの山専ボトル取扱説明書にも書いてありました。
実際に所有している山専ボトルの裏面表記にもありました。FFX(山専ボトル)-500(色の略称)と記載があります。これは今発売しているものより古い型なので500mlの初期シリーズということでしょう。
ちなみに今発売されているFFX(山専ボトル)-○○1シリーズは、2019年に6年ぶりにリニューアルした新しい型です。新しい色もあり、全体的に落ち着いた印象のものが多いです。今までなかった750mlサイズも増え、より多くのシーンで使えそうな気がします!欲しくなってしまいます。困りますね…。
改めて、取扱説明書を見てみるとパッキンは1年を目安に交換が必要とありました。中身は漏れないし、カビも見つからないし、破損もしていなさそうなので5年も放っておいてしまいました。ですが、わたしもこの機会にパッキン交換してみようかなぁと思っています。
まとめ
山専ボトルは保温性が高く、とても軽くて丈夫です。日頃のメンテナンスはいい塩梅で手抜きして、あまり費用もかけたくない!が正直な気持ち。これならできそう!と思う方法で長く愛用できるやり方が見つかれば嬉しいです。そして改めて、長く愛されているアウトドアグッズは愛されているだけの理由があるのだなと感じました。それは日常生活でも大いに役立ってくれます。次の休みにはわたしも山専ボトルを持って、自然の中でコーヒー飲んでこようと思います。