キャンプをする際に挑戦したいものの1つとして、「燻製」があります。加熱されたスモークチップの煙によって燻されたチーズやソーセージは、なんとも言えない香りをまとい、食べる人を魅了します。TVや動画などでもよく紹介されていますよね。
でも、燻製ってなんか大変そうですよね。特別道具や準備が必要そうだし。やりたい気持ちはあるけど、わざわざ面倒くさい準備はしたくない。
いやいや。実は、100均のある道具を使うことで美味しい燻製をお手軽に作ることができます。しかも、簡単にできて失敗もありません。使う道具とは、なんと「アルミ鍋」。市販の鍋焼きうどんなどで使われているあの容器です。
ということで、今回は、100均のアルミ鍋を使ったお手軽燻製の作り方をご紹介します。
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燻製とは
燻製について、なんとなく分かっているつもりという人も多いですよね。まずは、燻製が何なのかについて説明します。
燻製とは、サクラやブナなど香りの良い木を熱して出るモクモクとした煙に、食材を一定時間さらすという加工方法です。燻製にすることで、煙独特の風味が食材にプラスされます。殺菌防腐効果もあるので保存食を作成するのに使われますが、キャンプで燻製を作る際は、香りで食べ物を美味しくすることを主な目的にしていますね。
キャンプで燻製を作る時は、スモーカーと呼ばれることもある「燻製器」を使うことが一般的です。筒型や箱型が一般的で、最近は気軽に持ち運べるポータブル燻製器というものも登場しています。
ダンボールで燻製器をDIYする人なんかもいますよ。それだけ、燻製がアウトドアクッキングとしてのポジションを確立しているとも言えますね。
燻製の種類
燻製には、調理する際の煙の温度によって、「熱燻」「温燻」「冷燻」の3つの種類があります。
「熱燻」
80℃以上の高い温度で燻製します。いぶすのは数分~1時間程度の短時間。保存性はほとんどない代わりに、水分が多く残りジューシーな仕上がりになります。肉や魚などアウトドア料理などで食材に香りをプラスするのによく行われるのが、この「熱燻」です。
「温燻」
50℃~80℃くらいの温度で燻製する方法です。いぶす時間は2時間~半日ほど。熱燻と比べるといぶす時間が長く保存性も増します。数日から1週間ほど保存が効くようになりますね。代表的なものでハムやベーコンなどがあります。
「冷燻」
25℃以下の低音で燻製する方法。6時間~数週間ほど煙でいぶすのが基本です。外気が25℃以上の場所では難しいため、チャレンジするには季節や場所が限定されますね。スモークサーモンなどが作られます。
燻製の基本的な手順
燻製な基本的な手順は大きく分けて、次の4工程に分けられます。
- 下ごしらえ
- 塩漬け(味付け)
- 乾燥
- 燻製
下ごしらえ
燻製をつくるのに、食材の水分の多い箇所を取り除くことで、腐敗を防いで保存性を高めます。肉なら血管や筋の部分。魚なら内蔵やエラの部分をしっかり取り除きます。既に調理済みの食材を使う場合は、省略することができますね。
塩漬け(味付け)
食材を殺菌、味付けをします。作って短時間で食べる場合は味付けだけでOKです。市販のソーセージやハムなど既に味付けされた食材を使う場合は、省略することができます。
乾燥
食材に含まれた水分をさらに抜くことで、風味と仕上がりを良くします。色付きが悪い場合は、乾燥が足りていない可能性があります。風通しの良い日かげでしっかりと乾燥させましょう。ただし、高温下での放置は腐る原因にもなります。夏場などは、夜間の涼しい時間帯や冷蔵庫の中で乾燥させるのも良いでしょう。
燻製
燻製器の中でいぶしていきます。スモークウッドやスモークチップなどの燻製材を加熱して煙を出し、しっかりとスモークしましょう。香りや色合いをプラスするだけでなく、素材のうまみも引き出してくれます。
100均のアルミ鍋で燻製を作るのに必要な道具
アウトドアで燻製料理を作る場合は、スモーカーと呼ばれる燻製器を使うことが多いです。しかし、100均で売っている道具を使うことで、簡易的な燻製器を作ることができます。
今回使うのは次の道具です。
- アルミ鍋
- BBQ網
- スモークチップ
- キッチンペーパー
- クッキングシート
アルミ鍋は直径20センチで、2枚入りで販売されています。かなり厚手でしっかりとした作りです。直火での調理もOKですので、安心感がありますね。
今回はBBQ用の網を使って燻製します。アウトドア好き人なら常備しているという人も多いのではないでしょうか。煙を通すため、網状のものであればBBQ用の網でなくても大丈夫です。
こちらのスモークチップも100均で買うことができます。容量は50グラム。1回の燻製で使用するスモークチップの量は、ひとつまみからふたつまみでおよそ10g。1回買えば5回ほど使えますね。頻繁に使うことがなければ、容量の少ない100均のスモークチップで十分です。
短時間で燻製を作ると、食材の表面に水分が付着することがあります。この水分が付いたままだと、せっかくの燻製が酸っぱくなってしまうことも。事前に食材をしっかり乾燥させることで水分の付着を避けられることが多いですが、やっぱり手間は少ない方が良い!キッチンペーパーで水分を拭き取り、手軽に解決しましょう。
せっかく燻製を作っても、食材が網にくっついてしまうとがっかり。そこでクッキングシートを食材の下に敷いて、網にくっつかないようにしましょう。なしでもOKです。
100均のアルミ鍋で燻製を作る手順
では、100均の道具を使って、実際に燻製を作っていきます。今回燻製にした具材は次の6種類です。
- ウインナーソーセージ
- 魚肉ソーセージ
- チーかま
- ベーコン(薄切り)
- ナチュラルチーズ
- うずらの卵(水煮)
具材はどこのご家庭の冷蔵庫にも入っている物ばかりです。というか、我が家の冷蔵庫の中に入っていたものばかりです。特別な具材は1つも使っていません。
ちなみに、全ての具材が調理済みなため下ごしらえは行っていません。とことん手を抜いております。
味付け
初めに味付けを行います。といっても、味付けを行った具材はうずらの卵のみです。しかも、やり方は簡単。ジップロックなど密閉できる袋にうずらの卵とめんつゆを入れただけです。
めんつゆは規定の分量。4倍に薄めるタイプを使用したので、めんつゆ25mlと水75ml(めんつゆ1:水3)を入れました。朝の7時くらいにめんつゆにつけ、6~7時間ほどそのまま放置してあります。
他の具材については全て味付けされているので、そのまま燻製しています
乾燥
次に全ての具材を乾燥させます。キッチンペーパーを使って表面についた水分をていねいに拭き取ったあと、バットに並べます。そのまま風通しの良い日かげにおいて、1時間ほど乾燥させました。
夏場など、外が暑くなる場合は腐る原因となる場合があるので、くれぐれも注意が必要です。冷蔵庫の中で乾燥させてもOKです。
燻製
いよいよ具材を燻製させていきます。まず熱源の上にアルミ皿を置いてスモークチップをひとつまみからふたつまみ入れます。手のひらの中央に軽く盛るぐらいあれば十分です。
今回は手軽さを重視して、熱源にガスコンロを利用しました。もちろんアルコールストーブや固形燃料等でも燻製することができます。炭で熱している網の上でも燻製可能なので、BBQのついでに燻製を作るのも良さそうですね。
コンロに火を点けると、徐々に煙が出始めます。もうこの段階で煙のいい香りがしますよ。サクラのなんとも言えない甘い香りに思わず嬉しくなってしまいます。
煙が出たのを確認したら、弱火にしましょう。具材を並べた網を置いて、もう1つのアルミ皿でふたをします。アルミ皿はとても軽いので、強い風が吹くと飛ばされてしまいます。石などを乗せて重りにしておくといいですね。
弱火のまま8分待ちます。中の様子が見えずに不安になってしまいますが、ここはグッと我慢です。時間が経つにつれ煙の量が減っていき、8分経ってはほぼ煙が出なくなったら火を止めて完成です。
いい色付きですね。色付きが足りなかったらスモークチップをひとつまみ足して、再度3分ほど火を点けましょう。
100均のアルミ鍋で作った燻製を食べた感想
どの具材もいい色に燻製されており、とっても美味しそう。表面がよく乾燥していて少し硬そうにも感じますね。
さっそく出来上がったばかりのウインナーソーセージを一口、パクり。う、う~ん、美味い!!美味すぎる!!口に入れた瞬間に広がるサクラの甘い香りと、かむ度に感じる深みのある味わい。わずか10分弱で調理したとは思えない出来栄えです。
若干硬めに仕上がった「ベーコン」が一番美味しかった!
今回燻製にした具材では、どれも美味しく仕上げることができました。中でも特に美味しかったのは「ベーコン」です。薄切りのものを利用したので、厚みがない分水分量も少なく、若干ですが他と比べると硬めの仕上がりになりました。
しかし、噛んだ瞬間のうまみがもっとも強く、うまみが凝縮されているのがよく分かります。さらに表面積が多い分、煙によくいぶされており芳醇な香りを楽しむことができました。
チーズ好きも納得の「チーかま」
奥さんにも食べてもらったところ、「ん、めちゃ美味しいやん!」いただきました。チーズ好きの奥さんの一番のお気に入りは「チーかま」。いぶされた風味により、一層チーズの香りが強く感じられて美味しかったそうです。
ナチュラルチーズの燻製も良かったのですが、想定内だったらしく、想像以上の美味しさということで「チーかま」の方を気に入ってくれました。
年配の母が驚いたのはその「調理時間」
ちょうど来ていた年配の母にも食べてもらったところ、一番のお気に入りは「ベーコン」。さらに「チーズが好きな人には、このチーズたまらないだろうね。」とのこと。そんな母がビックリしていた調理時間。確かに、短時間で作ったとは思えない味わい。わずか10分弱で作ったと聞いて、「そんな簡単にできるんなら、私もやろうかな。」と驚いていました。
子どもはちょっと苦手かも
大人はどの具材も美味しくいただくことができました。しかし、7歳と4歳の子どもはどの具材を食べても「普通に食べたほうが美味しい」とのこと。いつもなら黙々とかぶりつくウインナーでさえ、一口食べて終わりでした。燻製特有の香りが苦手な子どもは多いかもしれませんね。
アルミ皿を繰り返し使うのは禁物
2回目の燻製を作り終えた時点でコンロを見ると、焦げたスモークチップがちらほら。不思議に思って鍋底を見ると、穴が多数あいておりました。炎が上がらなくてほんとに良かった。
改めてパッケージを見ると、大きな文字で「再利用禁止!」と書かれておりました。アルミ皿の使用は1回が限度ですね。繰り返し使うことはくれぐれもやめましょう!
まとめ
今回は、100均で販売しているアルミ皿を使った燻製の作り方を説明してきました。とにかく簡単で、手間もほとんどないうえに、驚きの美味しさ。冷蔵庫の中にあるいろんな具材を試してみても楽しいかもしれませんよ。みなさんもぜひ、100均のアルミ皿で燻製を作ってみてはいかがでしょうか。とってもおすすめですよ。それでは。