オピネルのナイフはカーボンスチールとステンレスの二種類のブレード(刃)から選ぶことが出来るのは有名です。長年、両方を使いこんでみて分かってきた材質ごとの特性、メリットデメリットをご紹介します。比較するモデルは年季の入ったカーボン#7、新しく購入したカーボン#10。そしてステンレスブレードのフィレナイフというモデルの3本です。
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オピネルナイフ-カーボンスチール-
カーボンスチールは炭素鋼の事です。私的にオピネルと言えばステンレスではなくこちらのカーボンスチールの印象がとても強いです。
オピネルに限らず、カーボンスチールのナイフは量産された安い包丁などにはない趣きやロマンに溢れています。その分、手間がかかる材質ではありますがナイフを育てていく楽しみがあるとも言えます。一般的に切れ味に優れ研磨もしやすいと言われています。個人的にはステンレスよりカーボンの方が好きです。
カーボンスチールは圧倒的に錆びやすい
しかしカーボンブレードは汚れや水分などに晒して放置しておくと、一瞬で赤錆びが発生してしまいます。使用したらすぐに洗い、水分を完全に拭き取らなければいけません。
キャンプなどのアウトドアで使うとしたら結構気を使うと思います。
私が初めてオピネルを買ったのは中学生の頃でした。(今回登場するカーボン#7です。)
雪山で調理をした後に雪がついたまま放っておいたら、とんでもない早さで錆びて驚いたのを覚えています。
子供の頃はナイフの管理などまともに出来なかったので、おこづかいで買ったカーボンのオピネルは早々に見るも無残な姿になって行きました。
その頃は何の知識もなくカーボンを買ったのですが、今思うとその時はメンテナンスの楽なステンレスを買うべきでした。
そのボロボロのオピネルは今でも現役で使っているのですが、これはこれで使い込んでる感じが出てとても気に入っています。
オピネルのカーボンは黒錆加工で解決
そんなにデリケートならカーボンブレードはちょっと・・と嫌煙されるかもしれませんが、カーボンのオピネルには黒錆加工という有名な錆防止のカスタムがあります。
これは敢えて意図的に錆を発生させる事によって刀身の表面にバリアを作り、錆が刀身内部まで進行しないようにするものです。この時に発生させる錆が赤錆びではなく黒錆びなので黒錆加工などと呼ばれています。名前の通り見た目が黒刀のように変化します。
私的にはカーボンを使うなら実用性的にも見た目的にもこの黒錆加工はぜひやりたいメニューです。
家庭にある物で割と簡単に出来るのでぜひチャレンジしてみてください。
実際に黒錆加工を行った手順も紹介しているのでぜひ見てください。
オピネルナイフ-ステンレスブレード-
ステンレスブレードは錆びにくくメンテナンスが楽
写真はステンレスブレードのフィレナイフというモデルのオピネルです。
ステンレスはINOXとも表記されています。
最大の特徴としてはカーボンに比べてはるかに錆びにくい事でしょう。
使い終わった後に水気があるまま放置しておいても錆びる事はありませんし、管理がとても楽です。
カーボンスチールを買っても黒錆加工が出来なさそうという方や、ナイフ初心者の方の最初の一本にはステンレスの方が良いと思います。
僕の実体験から、子供に使わせる場合もカーボンよりステンレスの方が良いですね。
ただし柄が水気に弱いのは同じ
ただし、錆びないのは刃の部分だけです。柄の部分はカーボンスチール同様にブナなどの木材なので水気をすばやく拭き取るか、そもそもなるべく水がかからないように扱わなければいけません。柄に関しては油漬けという儀式もあります。(油漬け、オイル漬けは賛否両論あるカスタムですが)
オピネルのステンレスは鏡面加工というカスタム
ステンレスの場合はスチールのような黒錆加工ではなく、鏡面加工というカスタムが一部で流行っています。
これは刃の側面を紙やすり等で根気良く磨き続け、最終的に周りの物が映りこむ(鏡面)程になるまでに仕上げる行程です。
刃の側面を磨く訳なので切れ味には全く関係しませんが、見た目が非常に美しくなります。
行程としては耐水ペーパー等でただひたすら時間をかけて研いでいくだけです。
例えばですが、耐水ペーパーの番手を#240→#400→#800→#1200といった具合に、徐々に細かい耐水ペーパーに移行していきます。
耐水ペーパーの番手を上げる時は目安として2倍以下の数値で移行していくといいと思います。
例(#400×2=#800)
#400のペーパーの次は、#800以下のペーパーを使うなど。
最後に液体系のコンパウンドなどで仕上げをしていきます。
液体コンパウンドとしてはピカールが有名で入手性も高く値段も安いので人気です。
マザーズのマグ&ポリッシュという製品も仕上げ用におすすめです。
文章にすると非常に簡単そうですが、全て手作業で行う場合かなりの労働時間と手間がかかると思います。
因みにフィレナイフというモデルを買うと初めから鏡面加工されています。
このカスタムはステンレスだけでなくカーボンでももちろん出来ると思いますが、カーボンは鏡面にしても結局は錆びますよね。
新品ならまだしも、すでに使い込んでいて錆の浸食がある場合は下地を作る作業も必要です。実用性を考えるとカーボンの場合はやはり黒錆加工の方が良いと思います。
因みにステンレスの場合は元からほぼ錆びませんので、黒錆加工は必要ありません。(出来ません)
カーボンとステンレス。切れ味はどっちが良い?研磨しやすいのは?
切れ味は一般的にはカーボンの方が優れていて、ステンレスの方が劣ると言われています。
両方使っている私もどちらかというとカーボンの方の切れ味が好きです。
しかし実際にはどちらの材質を選んでも、刃を定期的に研いでやらなければ結局は切れなくなります。
研ぎやすさに関してですが、カーボンはステンレスに比べて圧倒的に研ぎやすいです。
どんどん削れていくのが分かるので、感触がとても良いです。
自分で研磨もやってみたい!という方にはぜひ研ぎやすいカーボンをお勧めします。
私はオピネルに限らず昔から刃物は自分で研いでいるのですが、実際の研ぎ方や揃える道具、分解の仕方も詳しくレビューした記事もあるのでぜひご覧ください。
カーボンとステンレスの特徴はどちらが安い?
オピネルは8番10番あたりのサイズが一般的と言われているのですが、執筆時点のアマゾンの価格ではカーボン8番が1443円、ステンレス8番が1800円とステンレスの方が400円ほど高い状態です。
しかしカーボン9番だと2090円ステンレス9番だと2111円とほぼ全く変わりませんでした。サイズによって少しバラつきがありますがステンの方が若干高い傾向にありました。
それにしても調べてみて改めて驚きましたが、どちらを選んだとしてもとてつもなくお安いですね。
一度買えば10年以上は余裕で使えるオピネル。
これだけ安く買えて長く使えるナイフは他にはないように思います。
サイズは色々とあって迷うかと思いますが、オピネルを3種類持っている私が実際に使ってみたサイズ感などをレビューしている記事があるのでそちらもご覧ください。
各サイズと材質による価格表も作って載せてあります。
オピネルナイフのステンレスとカーボンの違いは?メリット・デメリットまとめ
オピネルカーボンスチールの特徴
- ステンレスにはない味がある。手がかかるけれど加工したり育てていく楽しみがある。
- 非常に研ぎやすい。研ぐのが楽しい。
- 錆びやすいのでメンテナンスや黒錆加工などが必要。
- どちらかと言うと経験者向け
オピネル ステンレスの特徴
- 非常に錆びにくい。水気に強くメンテナンスも楽。
- ただし柄はスチールと変わらないのでなるべく濡らさない。
- 値段もカーボンとほぼ変わらない
- 子供や初心者、気楽に使いたい人、最初の一本にはステンレスがお勧め。