ポータブル電源で使われているリチウムイオン電池の寿命は、サイクル(充電)回数500〜2000回が目安とされています。
寿命を超えたポータブル電源は、うまく充電できなかったり、充電残量が低下しやすくなり、あっという間に残量が無くなる不具合が多発しやすくなります。
ポータブル電源の寿命を延ばすには、バッテリーに負担をかけない使い方がポイントになります。
バッテリーの寿命を延ばす負担をかけない使い方と、長く使えるポータブル電源の選び方をお伝えしていきます。
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ポータブル電源の寿命を短くしてしまう3つのこと
ポータブル電源の寿命を延ばすには、バッテリーへの負担を減らす使い方がポイントになります。
- ポータブル電源の充電中に他の機器を充電する(パススルー)
- 充電が100%または0%で保管する
- 炎天下・氷点下での長時間使用
ポータブル電源の寿命を延ばす使い方を詳しく解説していきます。
ポータブル電源の充電中に他の機器を充電する(パススルー)
よくやってしまいがちなのが、ポータブル電源本体を充電しながらスマホや他の機器を充電してしまうことです。
ポータブル電源に内蔵されているリチウムイオン電池には、マルチタスクに対応しており、本体に充電しながらでも他の機器への給電(パススルー)が可能です。
ですが、バッテリーへの負担が大きく寿命を縮める使い方です。
説明書きに可能と記載されてますが「可能でも非推奨」がメーカーの本音です。
同じように、ソーラーパネルで充電中に他機器への給電も、バッテリーに負担を掛け、ポータブル電源の寿命を短くしてしまいます。
ポータブル電源の寿命を延ばすには、ポータブル電源本体の充電中は他の機器への給電(パススルー)はなるべくしないようにしましょう。
ポータブル電源を使わない時は60〜80%の残量で保管しよう
ポータブル電源を使用しない時には、電池残量を60〜80%で保管するとバッテリーへの負担が少なくできポータブル電源の寿命を延ばします。
その理由は、満タンの時はバッテリー内部の電圧が高い状態が続き、逆に残量が0%の時はリチウムイオン電池の自己放電で過放電状態となり、バッテリーに負担がかかるからです。
一般的に充電残量が40%前後の時が最もバッテリーへの負担が少ないと言われているので、自然放電する分を考慮し60〜80%での保管をおすすめします。
リチウムイオン電池の自然放電量は半年で約20%ですので、保管する期間で電池残量を調整してください。
キャンプでしか使わない方でも、1〜2ヶ月に1回くらいの頻度で電池残量のチェック・充電・給電の動作チェックがポータブル電源の寿命を延ばします。
また、非常時の場合でも、電池残量が0で使用できない事態は避けられますので、こまめなチェックをしておきましょう。
炎天下・氷点下での長時間使用を避ける
ポータブル電源に内蔵されているリチウムイオン電池は、熱と寒さに弱い特徴があります。
特に、夏場での使用時には本体が熱くなりやすいので注意が必要です。
推奨される動作温度はカタログに表記されています。
一般的に40度以上になると、リチウムイオン電池の劣化が早まります。
連続使用時には、放熱できる風通しの良い涼しい場所で使用してください。
また、保管時にも極端に暑くなる場所や寒くなる場所は避けて、屋内で保管するとポータブル電源の寿命を延ばせます。
長く使えるポータブル電源の選び方
長期間使用し寿命を過ぎたポータブル電源は、充電容量の減少や出力の低下の不具合が出始めます。
コストパフォーマンスが良いポータブル電源へと買い替えする場合には、容量や値段だけでなく、長く使えるかどうかも比較する時のポイントになります。
長く使えるポイントとして押さえておきたいのが
- リチウムイオン電池の種類
- バッテリーが交換できる
ポータブル電源の買い替え・追加する時の参考にしてみてください。
サイクル数(充電回数)が多いリチウムイオン電池
長く使えるポータブル電源を選ぶ時の目安としてサイクル数(充電回数)が指標となります。
一般的に使用されているのが「三元系リチウムイオン」で、サイクル数は約800回が平均値です。
最近の機種のほとんどが高速充電機能を搭載しており、バッテリーへの負担が大きくカタログ値よりもポータブル電源の寿命が短くなってきてます。
ですので、使用頻度が多い方は、三元系リチウムイオンよりもサイクル数が約2倍の「リン酸鉄リチウム」を搭載したポータブル電源のほうがコスパが良くなります。
三元系リチウムイオンとリン酸鉄リチウムの特徴
種類 | サイクル数 | 特徴 |
---|---|---|
リン酸鉄リチウム | 1000-3000 | 熱安定性が高く、安全性を売りにしたポータブル電源に採用される。製造コストが高いので、電気容量の割には価格が高い傾向にある。 |
三元系リチウムイオン | 500-1000 | 小型で軽量、長寿命、コストが安いのが特徴。ポータブル電源で最も採用されている種類。 |
寿命が長い(サイクル数が多い)おすすめポータブル電源
機種名 | サイクル数 | 容量 | 価格 |
---|---|---|---|
BLUETTI EB70 | 2500回 | 716Wh | 78,800円 |
BLUETTI EB55 | 2500回 | 537Wh | 59,800円 |
Anker 521 Portable Power Station | 3000回 | 256Wh | 24,800円 |
GOLABS R300 | 2000回 | 299Wh | 29,800円 |
GOLABS R500 | 3500回 | 518Wh | 59,800円 |
BLUETTI EB70・BLUETTI EB55
ゆるキャン△コラボ商品で注目されている、リン酸鉄リチウム搭載のポータブル電源。
大容量の716Whと中容量の537Whの2タイプがラインナップされています。
Anker 521 Portable Power Station
従来よりも6倍の長寿命バッテリーを搭載した軽量コンパクトなポータブル電源。
容量が少ないので小型機器の充電向き。大容量タイプの販売を今後期待です。
GOLABS R300・GOLABS R500
買い求めやすい価格のリン酸鉄リチウム搭載ポータブル電源。
中容量の518Whと小容量の299Whの2タイプがラインナップされています。
バッテリー交換できるポータブル電源
今までは、ポータブル電源のバッテリーは内蔵式で交換できませんでしたが、2021年に入りバッテリー交換式のポータブル電源が登場しました。
交換式のメリットとして、バッテリーの寿命が来ても新しいバッテリーに交換すれば、新品の性能でポータブル電源を使用できます。
また、別売りのバッテリーを追加すれば2倍の容量を使えるので、容量不足の解消にもなります。
2021年12月現在2機種販売されています。詳しくは下記の表でチェックしてみてください。
機種名 | 容量 | 価格 |
---|---|---|
ELECAENTA S600W | 740Wh | 79,800円 |
smartTap PowerArQ 3 | 555Wh | 79,800円 |
ELECAENTA S600W
大容量のバッテリー交換式ポータブル電源。
バッテリーだけでも充電可能、2~3時間でフル充電できるので、大容量のバッテリー充電時間の煩わしさを解消できます。
smartTap PowerArQ 3
4色のカラーバリエーションで人気のPowerArQシリーズ。
PowerArQ 2よりも基本性能がUPし、バッテリーが交換でき、別売りのバッテリーを持ち込めば1000Wh超と容量を気にせず使用できます。
メーカー別(機種別)使用バッテリー
機種名 | バッテリー | サイクル数 | 容量 | バッテリー交換式 | 保証期間 |
---|---|---|---|---|---|
Aiper FREEMAN500 | リン酸鉄リチウム | 1500回 | 614Wh | – | 12ヶ月 |
Anker 521 Portable Power Station | リン酸鉄リチウム | 3000回 | 256Wh | – | 24ヶ月 |
Anker PowerHouse II 800 778Wh | 三元系リチウムイオン | 400回 | 778Wh | – | 24ヶ月 |
BLUETTI EB55 | リン酸鉄リチウム | 2500回 | 537Wh | – | 24ヶ月 |
BLUETTI EB70 | リン酸鉄リチウム | 2500回 | 716Wh | – | 24ヶ月 |
ECOFLOW EFDELTA 1260Wh | 三元系リチウムイオン | 800回 | 1260Wh | – | 24ヶ月 |
ECOFLOW RIVER Max 576Wh | 三元系リチウムイオン | 800回 | 576Wh | – | 24ヶ月 |
ECOFLOW RIVER Pro 720Wh | 三元系リチウムイオン | 800回 | 720Wh | – | 24ヶ月 |
EcoFlow RIVER600 | 三元系リチウムイオン | 800回 | 288Wh | – | 24ヶ月 |
EENOUR EB120 1200Wh | 三元系リチウムイオン | 1000回 | 1200Wh | – | 12ヶ月 |
EENOUR P703 710Wh | 三元系リチウムイオン | 500回 | 710Wh | – | 12ヶ月 |
ELECAENTA S600W | 三元系リチウムイオン | 1000回 | 740Wh | 〇 | 24ヶ月 |
GOLABS R300 | リン酸鉄リチウム | 2000回 | 299Wh | – | 12ヶ月 |
Jackery ポータブル電源 1000 1002Wh | 三元系リチウムイオン | 500回 | 1002Wh | – | 24ヶ月 |
Jackery ポータブル電源 1500 1534Wh | 三元系リチウムイオン | 500回 | 1534Wh | – | 24ヶ月 |
Jackery ポータブル電源 708 708Wh | 三元系リチウムイオン | 500回 | 708Wh | – | 24ヶ月 |
PowerArQ 3 | 三元系リチウムイオン | 500回 | 555Wh | 〇 | 24ヶ月 |
PowerArQ 626Wh | 三元系リチウムイオン | 500回 | 626Wh | – | 24ヶ月 |
PowerArQ2 | 三元系リチウムイオン | 500回 | 500Wh | – | 24ヶ月 |
まとめ
ポータブル電源は消耗品でバッテリーの寿命が来ると、十分に充電できなかったり、充電残量が低下する不具合が発生しやすくなります。
ポータブル電源を長く使用するには、バッテリーに負担をかけない使い方や保管の仕方がポイントになります。
また、ポータブル電源の買い替えや追加する場合には、長寿命のリン酸鉄リチウムのバッテリー搭載機や交換式のポータブル電源を検討してみてください。