キャンプで焚火を囲み、友人や家族と過ごす夜は、忙しい日常を忘れられる特別な時間です。焚火はキャンプの醍醐味と言えるでしょう。
皆様は焚火を使って調理をしていますか?
バーナーを使った調理になれてくると、焚火を使った調理にも挑戦したくなるものです。
様々なメーカーから焚火を使った調理のための道具が販売されていますが、持ち運ぶのにスペースを取り、コストもかかるのが気がかりなところです。
今回は材料費100円以下で、簡単に自作ができる自在鉤の作り方をお伝えします。
そもそも自在鉤とは?
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「じざいかぎ」と読みます。聞きなれない方も多いのではないでしょうか?
古民家の囲炉裏の上に吊り下げられているアレのことです。
囲炉裏やかまどの上に鍋や鉄瓶を吊り下げるために使います。
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自作の自在鉤とトライポッドのメリット
驚くほど軽く、気軽に持ち運びができる
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昔ながらの自在鉤と同じ仕組みのものにトライポッドがあります。
屋外の焚火用にステンレス製のものが販売されています。
荷物の積載量や重さを気にしない、オートキャンプでの焚火には最適の製品でしょう。
トライポッドの中には折り畳み可能でコンパクトになるものもありますが、
キャンプ地への移動が電車やバスなどの公共交通機関を使う場合、バックパックの中身と重さはできるだけ削りたいですよね?
自作の自在鉤は、木の枝を加工して紐を取り付けた自在鉤です。手のひらサイズなので
気楽に持ち運びができます。
トライポッドのステンレス棒のかわりに3本の枝を利用します。
林間のキャンプ場、山間にある川沿いのキャンプ場など、あらかじめ目的地に木が生えていることがわかっていれば、現地で枝が手に入ります。
その場合はヒモと鉤の部分だけ持っていけばいいので、荷物を大幅に減らすことができます。
枝に巻き付ければすぐに使用できる
自作の自在鉤はヒモ部分を3本の枝に巻きつけて使用します。
まずは図のように地面から1m程のところで枝を束ねます。
3~5回程グルグルと巻き付けます。
ある程度巻き付けたら、木の間を2~3回通してやります。
このような形で設置します。
鍋やポットをぶら下げて、火の高さに合うように調節します。
上の写真のようにポットが下すぎる場合は、高さが合うまで枝に巻きつけます。
不安定に見えますが、ポットの重さが下方向に加わりますので、がっちりと固定されます。
撤収の際は巻いてあるだけなのでカンタンに取り外せます。1分とかかりません。
煙でいぶされて味が出る
使えば使うほど煙でいぶされてイイ味が出てきます。
左は5回程度使った自在鉤です。右は未使用。
ずいぶん飴色になってきました!
何度か使えばこんなに玄人感のある道具になりますよ。
愛着も湧いてきます。
ハンガーとしても使用できる
焚火に使用しない時は、脇にどけてハンガーとして使用できます。
枝の部分に服や帽子をひっかけておくこともできます。
私はランタンハンガーとしても使っています。
一手間の作業があるのでキャンプでの体験になる
現地でトライポッド用の木を探すことは自然に目を向ける良い機会になります。
快適なキャンプサイトから離れて森に入れば、新たな発見があるかもしれませんよ。
キャンプ場で木を切る場合は、管理人さんに必ず一声かけて下さいね。
今まで何度も現地で枝を用意していますが、断られたことは1度もないので、まず大丈夫だと思います。
自作に適した材料のチョイス
木の種類
焚火を良くする方ならご存じかと思いますが、広葉樹は針葉樹に比べて木材自体が固く、頑丈です。
材料には広葉樹を使いましょう。
針葉樹よりも種類が多いので探しやすいです。
身近な広葉樹はクリ、サクラ、ケヤキ、カエデ、ウメ等があります。
樹木は50%が水分なので、マキに使用する場合は8か月以上乾燥させてから使います。
良く乾燥していた材のほうが、より硬いので自作にもオススメですが、自作の自在鉤は使用しているうちに、火にあぶられて乾燥します。
生木を材料にしても問題ありません。
トライポッドに使う木材は針葉樹のほうが真っすぐに伸びるので適しています。
紐
紐には火に強い綿ロープを使用します。
ポリエチレンやナイロン等の合成繊維の紐に比べて強度はありませんが、熱や摩擦には強いです。
切り売りで購入すれば価格が安く、破損した場合も気楽に交換ができます。
最寄りのホームセンターで購入できます。
よじれが少ない金剛打ちロープをオススメします。
3㎜~6㎜程のロープがかさばらないので扱いやすいと思います。
実際に作ってみましょう
必要な道具
- 彫刻刀やナイフ等の木を削る道具
- ノコギリ
- 電動ドライバー
- 3㎜のドリルビット
- 3㎜の金剛打ちロープ2メートル(ホームセンターで80円程でした)
木の枝わかれしている部分を用意します。
庭木の剪定で不要になったウメの枝を使用しました。
いらない部分をノコギリでカットして2又にします。
木の皮を剥がします。
ウメの皮は手でカンタンに剥がせました。
ナイフで削っても良いです。
彫刻刀で形を整えていきます。
不要な枝をカットした部分の節が固く削るのが大変でした。
あらかじめ2又になっている枝を材料にしたほうが簡単に作成できます。
形が整ってきました。
ノコギリで不要な部分をカットします。
必ず彫刻刀やナイフで削った後にカットしてください。
持ち手部分がないと削るのが大変です。
完成まであと少し!
地面にしっかりと固定し、電動ドリルで穴あけを行います。
ロープを穴に通して、外れないように結べば完成です。
紐を本体に巻き付けて持ち運びます。
手のひらサイズです。
トライポッド用の枝は1.5mほどあれば十分ですよ。
自在鉤に適したクッカーやポット
ちまたで大人気のメスティンや、山登り用の軽量なクッカーは持ち手部分にシリコンやゴム製のカバーがついています。
焚火で直接火にかけると溶けてしまうことがあるので注意が必要です。
焚火には全てのパーツが金属製のクッカーを使用してください。
上の部分に引っかけるパーツがついたクッカーが自在鉤には適しています。
焚火での調理中はクッカー自体が高温になります。
皮のグローブがあれば便利ですよ。
まとめ
材料費が100円以下で簡単に作成出来ちゃいます!
現地でトライポッドがわりの枝を探すのに手間はかかりますが、「不便や手間を楽しむのもキャンプの醍醐味だ!」と思う方にはオススメです。
使えば使うほど色が変わって、自分の道具になっていきますよ。
イイ感じの枝が手に入れて自作に挑戦してみて下さいね。