近年、革新的なアウトドア用品が凄まじい勢いで世に広まっております。
その勢いはアウトドア業界のみでなく私たちの生活の中で身近な存在である100円ショップからも本格的なアウトドア用品が手軽に手に入る時代となりました。
中でも最近、キャンパーたちをざわつかせている商品のひとつであるセリアの「ミニ鉄板」の存在をご存知でしょうか。
一般的な鉄板と比べると圧倒的に安価で購入できるミニ鉄板は果たして実際にアウトドアシーンで活用できるレベルのものなのでしょうか。
今回はそんなミニ鉄板を実際に使用して感じたレビューをご紹介いたします。
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セリアミニ鉄板のスペック
サイズ | 縦13cm×横8.5cm×板厚2.5mm |
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材質 | スチール |
販売元 | エコー商事株式会社 |
アウトドア用品コーナーに陳列されておりました。
チャック付きのプラ袋に入って商品棚に並ぶミニ鉄板はイメージしていたものよりはるかにコンパクトで、探しながらうっかり見過ごしてしまいました。
販売元の会社は、セリアでは既にお馴染みのエコー商事株式会社です。
新潟県燕市にある会社でセリアのアウトドア用品や食器などを幅広く発売しています。
金物で有名な燕市の会社なので安心感がありますがMADE IN CHINAとなっています。
価格を考えると致し方ない部分ではあります。
セリアミニ鉄板と男前グリルプレートと比較
ソロキャンプに最適なサイズ感で人気の高いテンマクデザインの男前グリルプレートと並べてみました。
ミニ鉄板は男前グリルプレートの約1/3程度のサイズ感です。
男前グリルプレートは波型構造で深さが9mmありますが、ミニ鉄板の板厚は2.5mmなのでこの差が焼く際にどのように影響が出るか気になる所です。
ちなみにミニ鉄板と同様のフラット形状の鉄板を例にあげると「ヨコザワテッパン」は板厚5mm、「男爆鉄板レギュラー」は板厚4.5mmとなっているので、それらに比べると半分ほどの厚さになります。
セリアのミニ鉄板を実際に使ってみた
実際にミニ鉄板を使用して調理してみます。
110円で購入できる鉄板で何不自由なく調理が可能となれば革命的な商品とも言えるでしょう。
使用前にはカラ焼きが必要
ミニ鉄板が入っているプラ袋の裏面を見てみると、使用方法(カラ焼きの手順)が記載されています。
鉄板をシーズニングされたことのある方にとっては既にお馴染みの工程かと思いますが、今回は記載されている通り食器用洗剤で鉄板を洗い、鉄板を火にかけて油を薄くひきカラ焼きします。
プラ袋から取り出した際には特に油っけもなく、洗剤で洗った際にも目で確認できるような汚れの印象はありませんでした。
カラ焼き完了
こちらは一度油を焼きつけた後のミニ鉄板です。色味は当初の鉄っぽさからだいぶ黒々とした印象です。
場合によっては再度油を塗って焼き付けようと思いましたが、1回の焼きつけでいい感じに油が焼きついたのでこのまま汚れを拭き取って調理に使用してみます。
肉を焼いてみる
実際に肉を焼いてみます。今回は約250gのステーキ肉を用意しました。
男前グリルプレートと並べてみると、ぎりぎり乗せることができるサイズ感です。
ミニ鉄板の場合はもちろん一度に乗り切らないので、4つに切り分けて乗せてみます。
バーナーで十分にミニ鉄板を温めてから肉を乗せてみます。
鉄板の醍醐味である肉を置いた時のジュワーと焼きつく音がミニ鉄板からも響いてきました。
油はしかずそのまま肉を乗せたのでくっつかないか心配でしたが、肉から溢れる油がしっかり馴染んだのでくっつく心配はありませんでした。
良い感じの焼き色がついたところでひっくり返し、裏面も焼いて完成です。
ミニ鉄板でも美味しく焼き上げる事ができた
結果、ミニ鉄板でも無事にステーキ肉を焼くことができました。気になる焼き加減も申し分なく美味しく食べることができました。
セリアミニ鉄板を実際に使って感じたこと
ミニ鉄板のカラ焼きからステーキの調理まで一連の流れを通じて感じたことがいくつかありますのでご紹介させていただきます。
ミニマリストには最適のサイズ感
まずは何よりこの偉大なサイズ感です。ソロキャンパーにとって道具のコンパクトさは非常に重要かと思います。
圧倒的にコンパクトなミニ鉄板は、自分用にちょっとした調理ができれば十分というキャンパー、特別凝った料理はしないというキャンパーにとって、サイズも重量もライトなみに鉄板は非常に優秀な鉄板だと感じました。
ハンドルを用意する必要がある
ミニ鉄板は他の鉄板にもよく見かける形状のようにハンドルを差し込める穴が備わっています。
ハンドル自体は付属しませんので自分で用意する必要があります。
試しに男前グリルプレートに付属しているハンドルを使ってみると無事に差し込むことができました。
しかし厚みやサイズを考慮するとあまりしっくりこない印象です。
色々試した結果、個人的には小サイズのフォークがサイズ感、厚さともにしっくりとハンドルとして使うことができました。
バーナー調理の際は五徳のサイズ・形状に注意
ミニ鉄板はそのコンパクトさがメリットでありデメリットでもあります。
今回調理に使用したバーナーはユニフレームのUS-700です。ミニ鉄板を乗せた際にガタつきもなく安定してのせることができました。
五徳の形状によっては上手く乗せられないものもあるかと思いますので、購入前には自分のバーナーの五徳形状とミニ鉄板のサイズ感を考慮しましょう。
小さいので調理する際に少し不安定
今回ステーキの位置を動かしたり、裏返そうとした際に、ミニ鉄板も少し動いてしまうのが気になりました。
これはミニ鉄板だけでなく一般的な鉄板でも調理の際には同様に少し動いてしまうことがあるかと思います。
ミニ鉄板の場合は重さも軽いのでより動きやすくなってしまい、またサイズが小さい分少しのずれで鉄板がバーナーから落下してしまわないか心配な部分もありました。
コツを掴むとハンドルを差し込みながら上手く調理できましたが、その点は少し注意が必要です。
炒める調理は小さいので不向き
ミニ鉄板は完全にフラットな形状ではなく縁が少し高くなっています。
そのため油などの液体を鉄板上に乗せても簡単に溢れることはないのですが、食材を炒めるなど限られた鉄板上で大きな動きが加わる行為は溢れるリスクが大変高いのであまりお勧めできません。
厚みのある食材を焼く際には注意が必要
今回はステーキを切り分けて焼いてみました。最初に焼いたステーキは1cm程度の厚みで問題なく焼くことができました。その後やや厚みのある2,3cmほどの部位を焼いてみると内側への火の通りがやや甘いように感じました。これは鉄板の厚みが影響しているのかもしれません。
レアやミディアムが好みの方は気にならないかもしれませんがしっかり焼きたい派の方には少し物足りないかもしれません。
油が周囲に飛びやすい
一通り調理を終え道具を片付け始めると、周囲に油が跳ねてしまっていることに気がつきました。ある程度鉄板のサイズがあれば油の跳ねもおおよそ鉄板内に納まりますがミニ鉄板は鉄板が小さい分周囲への油跳ねの影響が大きくなります。
まとめ
まとめてみると一般的な鉄板より劣る点が目立ってしまう印象ですが、コストに対するパフォーマンスを考えると十分すぎる商品とも言えます。
今回自宅の庭で検証してみましたが、準備も片付けもだいぶコンパクトに楽しむことができました。
冬キャンはまだハードルが高いというキャンパーも、ちょっとしたスペースでミニ鉄板を活用し、ミニアウトドアを楽しんでみてはいかがでしょうか。