防水性があるはずのゴアテックス製品。
長年使用していて、水漏れを感じたり、生地のへたれを感じたりすることがあります。
時間の経過とともに劣化してしまう経年劣化は使用に関わらず起こってくるもので仕方のないことです。
しかし、メンテナンス方法や保管方法次第では生地の寿命が格段にアップしますので、正しくメンテナンスをして長く愛用しましょう。
ゴアテックスの劣化？
そもそもゴアテックスメンブレン自体は劣化するということはありません。
劣化しているのはメンブレンに貼り付けてある表生地や裏生地、シームテープです。
これらの接着に使用している接着剤が加水分解を起こし剥がれ、剥がれた箇所の針穴から水が侵入し問題になってくるのです。
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劣化の原因、加水分解とは？
加水分解は、物質と水が反応して分解され違う物質になってしまうことです。
一度分解された物質は元には戻らないので、ゴアテックス製品では接着剤として利用されている物質が加水分解してしまうと、ゴアテックスメンブレンと表生地（裏生地）の剥離、シームテープの剥離などの問題が起こってきます。
もし加水分解により生地とメンブレンの剥離が起こっているようでしたら、既に製品の寿命が近いため買い替えを検討しましょう。
また、生地の縫い目を覆っているシームテープは皮脂汚れや加水分解により特に剥がれやすく、シームテープが剥がれてしまうと覆っていた縫い目から水が内側に侵入してきてしまいます。
このシームテープは接着する生地が皮脂汚れなどなくきれいな状態のままである場合には再接着が可能です。
日々のメンテナンスはゴアテックス製品専用の洗剤を用いて、いくつかの注意点を確認しながら行えば比較的簡単に行うことができますが、もしも実際にシームテープが剥がれてきてしまったらどうしたら良いのでしょうか。
対応その１：自分で貼る
修理用のシームテープは店頭やオンラインショップで販売されています。
防水透湿性があるものとないものがありますが、ゴアテックスを用いている製品では防水透湿性があるシームテープが好ましいでしょう。
また、2.5レイヤーや3レイヤーなど、生地の層に関してもいくつか種類があるので、修理したいウェアはどれに当たるのかを確認してから修理用シームテープを購入しましょう。
レイヤーが少なく薄い生地に厚いシームテープを貼り付けると、接着はしますが実際に着用する際やスタッフバッグへ収納する際にゴワつく原因になります。
シームテープの貼り方
実際に貼られているシームテープの幅にカットし、端から剥がれてきにくいように角は丸めて貼り付けると良いでしょう。
あて布を使用して、低〜中温のアイロンを使用ししっかりくっついているか確認しながら貼り付けていきましょう。
テープタイプではなく、ノリの様な液体状のシームグリップというものもあります。
フード部分や首元など立体裁断になっている箇所は、テープをきれいに貼り付けるのにはコツが必要ですが、このシームグリップを使用するとテープでは難しい箇所もカバーすることができます。
対応その2：修理に出す
メーカーや専門の修理店に出せばシームテープ修理をしてくれる場合があります。ただ、生地の劣化具合によりシームテープが貼り付け可能であるかどうかの判断は一旦預けてからになることが多いので、修理に時間がかかってしまいます。1ヶ月位はかかると見積もっておいたほうが良いでしょう。また、場合によっては修理金額が購入費用よりも高くなってしまうことも考えられるので、事前におおまかな見積り金額を聞いてみると、後々の心配がありません。
対応その３：新しいものを購入する
先述の通り修理代金が高額になったり、せっかく補修しても他の古いシームテープ部は同様に劣化していることが多いため、全体のシームテープが剥がれてきてしまったりする可能性があります。
レインウェアの寿命はメンテナンス次第ですが、通常5年ほどで生地やシームテープの劣化が起こると言われています。
もちろん修理でまた使えるようになれば一番いいですが、あまりに劣化が感じられるようでしたら新しいものを購入したほうが良いでしょう。
最後に
ゴアテックス製品などの防水透湿性用品は決して安いとは言えない代物です。
製品の寿命は保管方法やメンテナンスの頻度、使用方法により大きく左右されますので、日々のメンテナンスを心がけ、なにか問題があれば修理をしてできるだけ長く愛用できたら最高ですよね。
また、自宅での修理の方法も知っておけばいざという時に困りません。様々なアウトドアシーンで活躍するゴアテックス製品。お気に入りの一着を持ってお出かけしましょう！
