「使い捨てないカイロ」として昨今注目されている、燃料式のカイロ。
ハクキンカイロとZippoハンディウォーマーは、そんな燃料式カイロの中でも、特に有名な商品です。
実はハクキンカイロが燃料式カイロのパイオニアで、約100年近く前から存在しているのは、皆さんご存知でしょうか。
そんな長い歴史を誇るハクキンカイロですが、実はZippoハンディウォーマーも、ハクキンカイロがOEM生産している商品。
実際のところ、どちらもハクキンカイロ株式会社が生産している燃料式カイロなのです。
今回はそんな2商品に、性能的な違いや見た目の差、それぞれが指定している燃料を交換して使用してみて、どのような結果が出るのかを検証してみました。
これから燃料式カイロを購入しようと検討している方や、今現在使っている方も、きっと知って得する情報を紹介します。
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ハクキンカイロとZippoハンディウォーマー 各部比較!
見た目がよく似ている2商品ですが、互いにどのような相違点があるのか、機能性に違いはあるのかを比較してみます。
比較するポイントは、「本体の見た目」「火口の形状」「付属品」の3点。
燃料式カイロの購入を検討しているという方は、各部の違いをチェックしてみてください。
本体の見た目
「PEACOCK」と「Zippo」の刻印の違いや、フタの模様が、互いに相違点があるポイントです。
刻印の違いは性能に影響を及ぼしませんが、フタの模様は酸素供給量を調整する、非常に重要な部分。
ハクキンカイロの孔雀(クジャク)模様は、多少のデザインの変更はありますが、およそ100年前の創業時から受け継がれている、伝統的な模様。
一方Zippoハンディウォーマーは、シンプルなドット模様です。しかしこちらも適切な酸素供給量を計算したうえでの穴の大きさ・数です。
どちらの商品も計算された設計になっており、「こちらを選んだ方が良い」という違いはありません。
火口の形状
火口の金属部分は、互いに形状が若干異なります。
しかし性能に大きな影響を及ぼすようなものではなく、「デザインの違い」として受け止めて良さそうです。
デザインの異なるポイントを強いて挙げるとすれば、Zippoハンディウォーマー(写真左)の火口上部の形状が、
ほんの少し丸みを帯びており、デザイン的に洗練されているように感じます。
火口に装着されているガラス繊維の色が若干違う点は、恐らく性能に影響しているでしょう。
火口のガラス繊維はプラチナ触媒が担持されており、燃料を酸化させる役割を担う、いわば燃料式カイロの「心臓部」。
ガラス繊維の色の違いは、ハンディカイロの発熱温度を左右している原因ではないかと考えられます。
これも後述しますが、ハンディカイロ発熱時の温度は、ハクキンカイロの方がわずかに高いです。
これは恐らく、ハクキンカイロの火口の方が、Zippoハンディウォーマーに比べて優れているのではないかと考えられます。
付属品
それぞれの商品に付属するフリース袋は、見た目の材質は同じように見えます。
しかし触ってみるとハクキンカイロの方が、肌触りが良く柔らかく感じました。
ハクキンカイロは紺、Zippoハンディウォーマーは黒で、ロゴはそれぞれのブランドのものが縫い付けられています。
性能に差が出るものではありませんが、ハンディカイロはフリース袋に入れての使用を推奨しているため、
ユーザーの見た目への好みが、大きく分かれるポイントではないでしょうか。
燃料式カイロ本体に燃料を注油するための注油カップは、使い勝手に大きな差があるポイントです。
まずハクキンカイロの注油カップは、カップ下部のピンク色の部分が、カイロ本体にぴったり装着できるようになっています。
そのため注油時にカップを手で押さえる必要がなく、注油しやすいのがユーザーにとって嬉しい点。
さらに燃料を注いだ後、カップを90度回転させると、本体に燃料が落ちる構造になっており、注油量のコントロールがしやすいです。
一方Zippoハンディウォーマーの注油カップは、机の上などで倒れにくい形状をしており、注油カップ内に一度燃料を注いでから、
カイロ本体に再度注油するような流れになります。
どちらも一長一短ですが、注油の手間が少ないのはハクキンカイロ、注油量を間違えにくいのはZippoハンディウォーマーのように思います。
火口の形状が相違しているが、互換があるため交換可能!
前述したとおり2つの商品の火口は、金属部分の形状が若干異なっていたり、ガラス繊維の色に違いがあります。
しかし実は互換があり、ハクキンカイロの火口をZippoハンディウォーマーに、Zippoハンディウォーマーの火口をハクキンカイロに、
それぞれ装着することが可能です。
火口の性能が優れているハクキンカイロの方が、発熱温度が若干高いという特徴があります。
Zippoハンディウォーマーにハクキンカイロの火口を装着する、というのも良いかもしれません。
ちなみにどちらの火口も、発熱中は赤熱します。
酸素に多く触れ、燃焼が活発になることで赤熱しますが、正しく使用すれば火災の原因になる可能性は低く安全です。
赤熱は商品の異常ではありませんので、安心して使って大丈夫です。
発熱温度を比較!
ハクキンカイロとZippoハンディウォーマーは、それぞれ使用する燃料が異なります。
ハクキンカイロはベンジンを、ZippoハンディウォーマーはZippoオイルを使用します。
ただし名前こそ違いますが、その成分はどちらもガソリンやホワイトガソリンと大体同じ「炭化水素」。
そこで今回は、両商品に互いの燃料を注油しても発熱するのかを、検証してみました。
そのうえで発熱温度に違いがあるかも確認してみたので、その結果を紹介します。
※検証条件:発熱したカイロは付属のフリース袋に収納。そのうえでユニクロのフリースのポケットに入れて温度を計測。
ハクキンカイロ×ベンジン
ハクキンカイロが正規の燃料として指定している、エビスベンジンを注油して発熱させました。
結果は問題なく発熱、温度は75℃まで上昇。
一般的な使い捨てカイロの表面温度が約50℃前後のため、それと比べて温度は高めです。
ハクキンカイロ公式サイトでは、エビスベンジンは不純物が少ないことを宣伝しており、
発熱中のベンジン臭は強くは感じませんでした。
メーカー指定の燃料ということもあり、発熱温度に安定感と安心感があります。
Zippoハンディウォーマー×Zippoオイル
Zippoハンディウォーマーが燃料として指定しているのは、Zippoライターにも使われるZippoオイル。
こちらも当然ながら問題なく発熱、温度は68℃まで上昇しました。
問題はないのですが、一点気になるとすれば、ハクキンカイロ×ベンジンの組み合わせほど、温度が上昇しなかったことです。
それについては恐らく、ハクキンカイロの方が火口の質が良いのが原因ではないかと思われます。
ECサイトなどの口コミでは、やはりハクキンカイロの方が発熱温度が高いといった情報が散見されました。
そのような情報から推察するに、これは製品異常などではなく、火口の質が関係しているのではないでしょうか。
ハクキンカイロ×Zippoオイル
ハクキンカイロに試しにZippoオイルを入れてみたところ、驚くことに全検証結果の中で、
一番高い発熱温度を記録しました。
その温度は79℃、ハクキンカイロ×ベンジンの温度より4℃も高い温度でした。
詳しい理由は不明ですが、ベンジンよりZippoオイルの方が、燃料として高温を出すことができるということが分かりました。
ただしベンジンに比べてZippoオイルは、少々においがきついという点が気になります。
そこは「不純物が少ない」と宣伝しているベンジンの方が、燃料くささがなく、優れているようです。
Zippoハンディウォーマー×ベンジン
Zippoハンディウォーマーにベンジンを入れたところ、全検証結果の中で一番低い発熱温度の、64℃を記録しました。
やはり火口の性能はハクキンカイロの方が優れており、燃料はZippoオイルの方が高温になるようです。
Zippoハンディウォーマーでベンジンを使うのは、火口の性能がハクキンカイロより劣り、Zippoオイルほど温度が上がらないようです。
Zippoハンディウォーマーを使用しているという人は、無理にベンジンを使用せず、同じZippoブランドのオイルを使用するのがおすすめです。
燃料式カイロの見た目・性能の差を比べて、自分に合ったものを使おう!
見た目や性能の違い、互いの商品が指定する燃料を交換して、どのような差があるのかを検証してみました。
その結果、ハクキンカイロは本体自体の性能が比較的高く、燃料はにおいを気にしなければZippoオイルの方が高温になる、ということが判明しました。
その他に付属品の見た目や性能の違い、火口に互換性があることなどを考慮すると、一概に「この製品を使った方が良い」とは言えない結果になりました。
もしこれから燃料式カイロを購入しようと考えている方は、ハクキンカイロとZippoハンディウォーマーを比較するための検討材料にしてもらえると嬉しいです。