キャンプは焚火用の薪を割ったり、ブッシュクラフトで斧を使う機会が多く、愛用のキャンプ斧を持ち歩くキャンパーは多いです。
キャンプ斧の代表的なメーカーは、ハスクバーナやグレンスフォシュ・ブルーク、ハルタホースなどで、そのどれもが伝統的な木製の柄、鍛造で作られた斧頭を持つ、オールドスタイルな斧が人気です。
キャンプで使った斧のお手入れ・メンテナンスはしていますか?
刃こぼれをしてしまった際に、きちんと研ぎ直していますか?
今回は斧のお手入れの方法と、刃の研ぎ方をご紹介します。
日頃斧のメンテナンスをしていないという方は、この機会に愛用の斧をお手入れしてみましょう。
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斧の日常的なお手入れ方法
刃(斧頭)のメンテナンス
斧の使用後、斧頭が木のヤニやシブで汚れている場合は、刃物クリーナーを使って汚れを落とします。
斧頭にクリーナーを吹きかけ、1分ほど置いてから乾いた布で汚れを拭き取ります。
汚れが落ち、斧頭が綺麗になったら亜麻仁油を薄く塗りましょう。
斧頭に油を塗ることで、錆を防止します。
斧頭に亜麻仁油を数滴垂らし、乾いた布で薄く塗り広げます。
斧頭のメンテナンスができたら、ブレードカバーで斧刃を保護します。
ブレードカバーが濡れていると、斧頭の錆の原因になりますので、しっかり乾いたブレードカバーを使いましょう。
革製のブレードカバーは、それ自体が乾くと革のヒビ割れの原因になります。
ブレードカバーも定期的にミンクオイルを塗り込み、革のメンテナンスをしましょう。
また、自宅に皮靴等の皮製品用の保革クリームがあれば代用できます。
柄のメンテナンス
斧の柄もメンテナンスが必要です。
柄が乾燥し過ぎないように、定期的に亜麻仁油を塗り込み、染み込ませましょう。
こうすることによって柄の乾燥を防ぐとともに、しなやかで柔軟性のある柄に成長します。
斧の保管場所にも気を付けましょう。
乾燥した場所や温か過ぎる場所での保管は、斧頭に差し込まれている柄が乾燥・収縮し、
斧頭の緩みに繋がります。斧頭が緩むと、斧の使用中に斧頭が柄から抜け落ち、思わぬ事故に繋がります。
柄がダメージを受けている、腐っているなどした場合は、柄の交換をしましょう。
薪割りをしていると、割れた薪が柄にヒットし、ひび割れや破損が起きることがあります。
保管場所が湿っている場合などは、柄が腐ることもあります。
そのような状態の柄を使い続けると、先程と同様に思わぬ事故に繋がります。
柄の異常に気付いたら、すぐに交換をしましょう。
斧の柄の交換方法
柄は交換柄があります。
斧の購入店や、メーカーに問い合わせをして、同じ型の斧の交換柄を入手します。
ハスクバーナなどはアマゾンや楽天でも入手できます。
古くなった柄やダメージのある柄は、のこぎりを使って斧頭付近で切り落とします。
斧頭の中にある柄と、柄と斧頭を固定しているくさびを、ドリルなどを使ってできるだけ取り除きます。
斧頭の中に残った柄は、かなづちと細い木片などを使って、柄が付いていた側から打ち抜きます。
柄を完全に取り除いたら、交換柄を斧頭に差し込みます。柄の端が斧頭から2~3cm出るまで、かなづちで打ち込みます。
木製くさびを斧頭側の柄に打ち込み、斧頭から2~3cm出ている柄を、くさびごとのこぎりで切り落とします。
木製くさびに対して交差するように、スチール製のくさびを打ち込んで、斧頭が固定されたら完成です。
斧の研ぎ方
砥石の選び方・研ぎ方
斧は包丁やナイフと同じように、砥石を使って研げます。
大きな刃こぼれがある場合は、#400~#500の砥石から使います。
ただし微細な刃こぼれ程度であれば、#1000の砥石から使います。
砥石は水に10分程度浸してから使いましょう。
砥石が動かないように固定し、しっかりと力が入る姿勢で研ぎます。
斧刃を研ぐ際は、基本的に元の刃の形状を保ったまま研ぎましょう。
斧刃はそれぞれ、用途に合った形状をしています。
薪割り斧は薪割り斧の形状、ブッシュクラフト向きの斧はそれに合った刃の形状をしています。
元の形状を崩すと、斧のせっかくの長所が損なわれます。
ディスクストーンを使う
砥石を使った研ぎ方は、重い斧頭を動かすため作業が大変です。
斧を研ぐためのディスクストーンというものがありますので、そちらを使うのもおすすめです。
ディスクストーンは表裏で番手が異なり、斧刃に対して円を描くようにディスクストーンを動かして研ぎます。
砥石と同じように10分程度水に浸してから使います。
砥石で研ぐのに比べ、斧は動かさず、ディスクストーンを動かすので作業が楽なのが特徴です。
100均のダイヤモンドシャープナーを使う
100円ショップでも、便利なハンディシャープナーが販売されています。
こちらの商品は砥石やディスクストーンのように、水に浸ける必要が無く、キャンプ中などのアウトドアシーンでも斧刃が研げるのでおすすめです。
ダイヤモンド粒子配合の砥石が、調度良い角度のついた持ち手に装着してあり、刃物が研ぎやすいのが特徴です。
砥石に比べて日々のメンテナンスがしやすく、何より100円(税別)で入手できるので、おすすめの商品です。
ただ、あくまで刃先の調整程度の使い方となりしっかりと研ぎあげることに関しては不向きと言えますので専用のシャープナーを用意しておくことをお勧めします。
小さな斧頭の斧であれば砥石でも良いですがハスクバーナ手斧などの大きな大きな斧頭になると砥石では研ぎにくくなりますのでこのようなシャープナーが使いやすくて便利です。
刃先の角度に合わせまんべんなく研いでいきます。
斧の刃の形状について
薪割り斧のハマグリ刃
薪割り用の斧の多くが、ハマグリ刃という形状になっています。
斧刃を断面で見た時、刃を鋭角で直線的にせず、鈍角で丸みを持たせた形状になっています。
丸みを持たせることによって、斧刃が薪に入り込む際に摩擦を減らし、薪に深く刃を食い込ませることができるのです。
鋭角で直線的な刃に比べ、切れ味は劣ります。
しかし薪割りは切れ味よりも、薪に深く刃が入り込み、薪を裂くことが目的です。
薪割り斧は研ぐ際に、鋭角に研がずに丸みを持たせることが大事です。
ブッシュクラフト向きの薄い刃
ブッシュクラフトは薪割りとは異なり、より斧に切れ味が求められます。
必然的に斧刃は鋭角で直線的に、薄い刃になります。
枝を削る、樹皮を剥く為には斧に切れ味が必要で、ブッシュクラフト向きの斧は薪割り斧に比べ、斧頭がスリムな形状になります。
このような斧を研ぐ場合には、ハマグリ刃とは異なり鋭角で直線的に研ぐことを意識します。
#1000の砥石で研いだ後は、さらに#3000~#5000で刃を仕上げます。
斧に刃こぼれはつきもの
斧は他の刃物に比べ、対象に打撃を与えて切る使い方が多いです。
刀や包丁のように鋭利な刃物で引き切るのではなく、振り下ろした勢いで切り付けます。
そのような使い方をするため、斧に刃こぼれはつきものです。
しかし刃こぼれを放置して使い続けると、刃こぼれが広がり、刃物として役に立たなくなります。
薪割り斧は特に刃こぼれが起きやすいですが、ブッシュクラフト向きの斧も、刃が薄いため刃こぼれしやすいです。
斧を使った後は斧刃の状態をよく観察し、刃が欠けているようであればしっかり研ぎましょう。
斧をしっかりメンテナンスして、長く大事に使おう
斧は意外と繊細な刃物です。メンテナンスを怠ると切れ味は鈍り、小さな薪でさえ割るのが難しくなります。
特にキャンプ用斧は、薪も割るし、ブッシュクラフトで細かい作業をすることもあります。
斧に切れ味が求められますが、その使い方から、刃こぼれも起きやすい斧です。
普段からきちんとメンテナンスをすれば、錆や刃こぼれは防止・対策ができます。
むしろ念入りなメンテナンスは、斧をしなやかで使いやすく育てます。
日常的なお手入れをしっかり行い、刃こぼれを放置することが無いよう、大事に斧を使いましょう。