アルコールストーブを使用するには本体のほかに、風防、クッカー、ゴトク、燃料ボトル、カトラリー類、ライターやマッチなどが必要になります。
アルコールストーブ自体がコンパクトでも他にこまごまとしたものが多くなってしまいますよね?
「食事に使うものを全てクッカーの中にまとめたい!」
と考えた時に、私にとってネックだったのが風防でした。
市販の風防では上手く収納できるものがどうしても見つからなかったので、
自作をしてみました!
今回は軽量、コンパクトに収納することが可能なゴトク一体型風防の作り方をご紹介したいと思います。
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アルストやバーナーでの風防の役割とは?
アルコールストーブやガスバーナーなどの火器は風の影響を受けやすいものですよね?
荒天の屋外で調理をしたことがある方ならおわかりかと思います。
ガスストーブにはメーカー独自の風対策をしている製品もありますが、アルコールストーブの場合、風の強い日には炎が流れてしまい、熱がコッヘルに伝わりにくくなるので、本来の力を発揮することが出来ません。
燃料も調理の時間も余計にかかってしまいます。
そんな時には風防があれば便利です!
風を受け流し、熱効率を上げてくれるので、屋外でも快適に使用することができます。
風防は大きく分けて2種類ある
ウィンドスクリーン型
出典:Amazon
風防といえば、このタイプを頭に浮かべる方が多いのではないでしょうか?
ガスストーブと一緒に使用することも想定しているので、高さがあります。
風をしっかりとシャットアウトできます。
クッカー自体が風防の中に入るサイズなので側面からの熱も期待できます。
ですが、高さで風のあおりを受けやすいので、倒れ易いかもしれませんね。
様々なメーカーからこのタイプが販売されています。ほとんどの製品が連結ピンを外して金属板の枚数を減らすことができるようになっています。使用するクッカーの径に合わせて調節ができるので便利ですね。
ただ、重さが120~250g。
収納時の大きさは、横幅が7.5~8.5cm、高さ13~24cm前後のものが多いので
アルコールストーブに使用するのは少しおおげさな気がします。
オートキャンプの時はいいですが、個人的にバックパッキングでの使用はオススメできません。
ゴトク一体型
出典:Amazon
トランギアのアルコールストーブB25用ゴトク TR-281です。
この中央部にアルストを入れて、4か所ある頂点にクッカーを乗せて使います。
このタイプの風防はゴトクの役割も兼ねています。
ゴトクを他に購入する必要がないので、コスパに優れ、軽量化にもなります。
ただ、このゴトクのように隙間があるものは、強風時には扱いづらいです。
出典:Amazon
どんな天気でも安定して使いたい方は、
バーゴのヘキサゴンウッドストーブのようにアルスト全体を覆うタイプもあります。
一体型は軽量なものが多く、クッカーの安定感が良いのでオススメです。
ゴトク(五徳)の役割とは?
今回作成する風防はゴトクの役割を兼ねています。
そもそもゴトクはどんな働きをするのでしょうか?
1.クッカーを乗せた時の安定性を高める効果
ゴトクのサポートする面積が広ければ、安定感が増すので大きなクッカーを乗せることが出来ます。かといってサポートする面積が大きければ良いわけではなく、大きすぎるとシェラカップなどの、径が小さいクッカーは乗せることが出来ません。
使うクッカーの径に合ったゴトクを選ぶ必要があります。
2.クッカーとストーブの高さを調節する役割
アルコールストーブを点火した時に、最も炎の温度が高い部分は、炎の先端より少し下の部分になります。この部分がクッカーの鍋底に当たる高さにゴトクで調節できれば熱効率が上がり、調理時間と燃料の節約になります。
使うストーブによって、炎の立ち上がり方が違うので、そのストーブに合ったゴトクの高さを試行錯誤しましょう。
風防兼五徳を実際に作ってみましょう
作成に使用する材料と道具はこちらになります。
- ステンレスフォイルシート0.1mm厚、縦50cm×横1Mのロール
- 長さ13cmのビス2本
- 画用紙(紙はどんなものでも大丈夫です)
- 金切りバサミ
- 穴あけパンチ
- 油性ペン
- セロハンテープ
ステンレスのフォイルシートは簡単に丸めることが出来ます。
0.1mm厚でもコシがあり耐久性が高いので、アルミシートのように折り目が付くことはありません。
ホームセンターで手に入ります。
ビスもホームセンターで手に入れました。
作成するものは使用するクッカーとアルコールストーブにピッタリの風防なので、まずはクッカーとアルストを選びます。
クッカー OPTIMUS テラ ソロ クッカー
アルコールストーブ トランギアTR-B25
クッカーとアルストのサイズを計測して風防の最適なサイズを決めていきます。
適当にカットした紙をクッカーに巻き付けて、一周したところにマーキングします。
広げて長さを測ると31cmでした。
クッカーの径が風防の横幅の目安になります。
ピッタリに作ってしまうと、風防とクッカーとの間に隙間がありません。
それでは扱いづらいので横幅は31cm以上にします。
次は風防の高さを調べます。
クッカーの高さは13㎝。
風防の高さを13㎝以内に抑えれば収納できますね。
最後にゴトク一体型なので、ゴトクをどの位置にすればいいかを調べます
アルストにアルコールを少量入れて点火します。
炎が安定したら、本体底から炎の先端までの長さを測ります。
炎の先端は約10㎝位の位置でした。
10cmより少し下にゴトクが来れば熱効率がよさそうですね。
寸法がわかったので型紙を作ります。
横幅は31cmに余裕を持って8cmを追加した39cm。
クッカーの高さが13cmだったので、風防の高さは10cm。
ゴトクの位置は10cmより少し下なので9cmにしました。
画用紙で型紙を作成します。
型紙を実際にクッカーに合わせ、サイズ感を確認します。
確認して大丈夫そうなら、ステンレスシートにテープで固定します。
型紙に沿って金切りバサミで切り出します。
力を入れすぎると歪みが出るので慎重に行います。
切り出しが終わりました。
風防の下部に穴を開けるためのマーキングをします。
下から1cmの場所に横線を引き、2cm刻みで縦線を入れました。
穴あけパンチを使って穴を開けます。
この作業も一度に力を入れず、徐々に力を加えたほうが無難です。
仕上がりが綺麗になります。
綺麗に穴が揃いました。これが空気穴になります。
アルストを密閉しすぎると、逆に燃焼を妨げることがあるので、適度に空気が流れる穴が必要になります。
円形にして、クッカーの周りに設置します。
風防の重なる部分はピンで固定します。
8cmゆとりを持たせて横幅を決めたので、クッカーと風防の間に空間がありますね。
空気穴と同様に、空気の循環を促すためにゆとりを持ったサイズにしています。
クッカーを外し、
定規で円の3分の1ぐらいの場所の長さを測ります。
約11cmでした。
風防の左右2か所に穴を開け、ゴトク棒を通す仕組みです。
11cm以下だとゴトク棒を固定できません。
よって、11㎝以上がゴトク棒の長さになります。
収納するクッカーの高さは13cmです。
ゴトク棒も一緒に収納することを考えると、
12cm~13cmにすれば良さそうですね。
ゴトク棒には今回、長さ13cmのネジを使います。
最後にゴトク用の穴を開けます。
ゴトク用の穴を開ける高さは9㎝の位置でしたね。
風防の高さが10㎝なので、1㎝下に油性ペンでラインを引きます。
ゴトク棒を上に乗せ、位置を確認してください。
ライン上にフリーハンドで4か所マーキングします。
穴を開けて、画用紙をはがしたら完成です!
風防・アルストなどをスタッキング
風防、ゴトク棒、アルコールを入れたセリアのボトル、アルスト、カトラリー、ファイアースターターを収納してみます。
風防を広げてスタッキングすれば、ほとんど場所を取りません。
問題なく収納できました。まだ何か入れられそうです。
重さは?
風防自体は31gでした。
ゴトク棒を合わせると61g
チタン製の風防兼ゴトクのタイプと比べるとやや重いですね。
ゴトク棒はもっと細くて軽いものを使用しても良いと思います。
テント用のチタンペグを流用すれば、一石二鳥で軽量化できますよ
自作の五徳&風防の使用感
ときどき風が吹く屋外で
クッカーに400mlの水を入れて使用しました。
水を入れたクッカーの重さが風防自体にかかるので、風防が飛んでいく心配もありません。クッカー自体が倒れるほどの強風でなければ安心して使えます。
ゴトク部分も動くことなく安定しています。
2本の棒の間隔が狭いので、このクッカーより小さな径のものでも乗せられそうですね。
この通り、しっかりと沸騰しました。
風をしっかりと防いでくれましたね。
ちなみに沸騰までの時間は4分22秒でした。
まとめ
いかがでしたか?
風防のサイズやゴトク用の穴の計算に多少手間はかかりますが、作業自体はカンタンで道具さえあれば誰にでも自作できると思います。
市販の製品と比べても、軽さの面で遜色なく、強度も問題ありません。
何よりも、お気に入りのクッカーとアルストにピッタリなので満足度が高いです。
作りもしっかりとしているので道具としての所有欲も満たせますよ。
風防の収納にお困りの方は是非トライしてみてくださいね!