数年前までは、寒い時期のキャンプで電気毛布を使いたい時には電源サイトが必須でした。
しかし、最近ではポータブル電源の性能向上と容量が大きくなったこともあり、電源サイトの有無にかかわらず電気毛布が使えるようになり、好きな場所で冬キャンプを楽しむことができます。
ポータブル電源を持ち込めば、電源サイト以外でも電気毛布が使えますが、ポータブル電源の容量は限りがありますので、手持ちの電気毛布がどのくらいの時間使用できるかはキャンプ前に調べておく必要があります。
この記事では、電気毛布の使用時間を計算する方法と、電気毛布を使用するキャンパーさんがポータブル電源を選ぶポイントを解説しています。
ポータブル電源の導入を考えている方は参考にしてみてください。
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電気毛布の消費電力について
キャンプで重宝する電気毛布の各社の消費電力をまとめてみると、1人用(130×80cm)(140×80cm)のサイズで、定格消費電力は40Wもしくは55W、一番高い温度『強』に設定した時の消費電力は約27Whとなっていました。
定格消費電量も各メーカーほぼ一緒の数値となっています。
メーカー名 | 型番 | 定格消費電力 | サイズ | 消費電力量『強』 | 表面温度『強』 |
---|---|---|---|---|---|
Sugiyama | NA-023S | 55W | 140×80cm | 27Wh | 約53℃ |
山善 | YMS-16 | 40W | 130×80cm | 27Wh | 約52℃ |
アイリスオーヤマ | EHB-1408-T | 40W | 140×80cm | 27Wh | 約50℃ |
コイズミ | KDS-4061 | 40W | 130×80cm | 27Wh | 約53℃ |
ニトリ | NT-402 | 40W | 130×80cm | 27Wh | 約53℃ |
しかし、こメーカーは発表の数値と実際に冬キャンプで使う際の消費電力はかなり異なります。
メーカーが発表している消費電力は気温(室温)20℃くらいでの数値となっている場合があり冬キャンプでの使用では更に消費電力がかかることになりますので容量の大きなポータブル電源の用意が必要となります。
電気毛布を安心して使うためにポータブル電源の容量に注意
ポータブル電源の容量は(Wh)という単位で表示されており、Whの数値が大きいほど大容量となります。
実際に使用できる容量は表記されているWh数の80%ほどですので、1000Whのポータブル電源では800Whの電気を供給できます。
一般的な情報としては電気毛布を1晩使用する想定で容量を選ぶ目安は、ソロキャンプなら300Wh〜、デュオ・ファミリーキャンプなら600Wh〜、が目安となっていますが変換ロスや電気毛布を使う寒いなかでの環境を考えると1.5倍程度の容量のポータブル電源が必要とされます。
ポータブル電源は、バッテリー容量が多ければ多いほど、高額になり製品サイズも大きく重くなりますので、予算と使用目的に合わせて選びましょう。
電気毛布を朝まで使用するためのポータブル電源の容量を計測
実際にポータブル電源と電気毛布を使用してどのくらいの容量が必要か計測をしてみます。
今回使用するのはEENOWのP703というポータブル電源と山善の電気毛布で気温による使用の違いの検証を行います。
検証は夜12時くらいから朝8時まで計測します。
検証1 電気毛布とポータブル電源を室内で使う(室内気温20度前後)
室内平均温度約21℃で電気毛布をポータブル電源に繋いで使用した結果
43%を残したので約57%(404WH)使用したことになります。
検証2 電気毛布とポータブル電源を屋外で使う(最低外気温6度)
↑テント内温度の推移
最低外気温6℃(テント外)でのテント内(テント内平均温度約10℃)で使用した結果
25%残りましたので約75%(532Wh)消費したという事になりました。
結論
気温が高い時と比べ気温が低い時の方が電気毛布の消費電力が多く必要となりますのでポータブル電源の容量はソロであれば500Whくらい必要ではないかと思います。
ポータブル電源での電気毛布の使用時間を追加検証
ポータブル電源で電気毛布が何時間使用できるか?や枚数や温度調節による使用時間・電気毛布の上の温度などを何パターンか検証しています。
ポータブル電源での電気毛布を使用する参考にしていただければと思います。
かなり簡素な冬用装備ですので寝袋やマットやテントの性能を上げることで更に快適になるのではないかと思います。
検証の方法はDODのワンタッチテントにサンドリーのキャンプマットを敷きその上に電気毛布を敷き化繊の封筒型寝袋(快適温度5℃程度)を掛け布団のようにかけて行っています。
温度の計測は
テントの外⇒外気温
電気毛布と寝袋の間⇒布団内温度
を計測しています。
使用時間と使用電力の計測は
エコキーパーで使用時間と使用電力の計測を行っています。
使用電力でポータブル電源から電力がどれくらい取り出せたかも同時に確認できるのでポータブル電源の電力ロスの性能も併せてチェックしいます。
追加検証① EENOW P703
- 機種 EENOW P703
- 電気毛布枚数 2枚
- 外気温平均 0.1℃
- 最低外気温 -1.5℃
- 電気毛布上の平均温度 23℃
- 電気毛布上の最高温度 24.9℃
- 使用できた時間 7時間16分
- 使用電力 610wh
追加検証② EENOW P703
- 機種 EENOW P703
- 電気毛布枚数 1枚
- 外気温平均 2.4℃
- 最低外気温 0.7℃
- 電気毛布上の平均温度 23℃
- 電気毛布上の最高温度 30.4℃
- 使用できた時間 9時間34分
- 使用電力 620wh
追加検証③ EENOW P703
- 機種 EENOW P703
- 電気毛布枚数 2枚
- 外気温平均 1.7℃
- 最低外気温 0.9℃
- 電気毛布上の平均温度 23.2℃
- 電気毛布上の最高温度 26.9℃
- 使用できた時間 5時間29分
- 使用電力 600wh
追加検証④ BLUETTI EB70
- 機種 BLUETTI EB70
- 電気毛布枚数 2枚
- 外気温平均 1℃
- 最低外気温 -0.4℃
- 電気毛布上の平均温度 26.8℃
- 電気毛布上の最高温度 30.8℃
- 使用できた時間 5時間
- 使用電力 580wh
追加検証⑤ BLUETTI EB70
- 機種 BLUETTI EB70
- 電気毛布枚数 1枚
- 外気温平均 0.8℃
- 最低外気温 -0.2℃
- 電気毛布上の平均温度 24.4℃
- 電気毛布上の最高温度 26.9℃
- 使用できた時間 8時間28分
- 使用電力 570wh
追加検証⑥ EFDELTA
- 機種 EFDELTA
- 電気毛布枚数 2枚
- 外気温平均 4.6℃
- 最低外気温 3.3℃
- 電気毛布上の平均温度 27.0℃
- 電気毛布上の最高温度 30.0℃
- 使用できた時間 11時間06分
- 使用電力 1.09wh
追加検証⑦ Jackery ポータブル電源 708
- 機種 Jackery ポータブル電源 708
- 電気毛布枚数 2枚
- 外気温平均 0.1℃
- 最低外気温 -1.5℃
- 電気毛布上の平均温度 23.8℃
- 電気毛布上の最高温度 25.8℃
- 使用できた時間 5時間27分
- 使用電力 580wh
追加検証⑧ Jackery ポータブル電源 708
- 機種 Jackery ポータブル電源 708
- 電気毛布枚数 1枚
- 外気温平均 -0.8℃
- 最低外気温 -2.4℃
- 電気毛布上の平均温度 23.3℃
- 電気毛布上の最高温度 25.7℃
- 使用できた時間 9時間12分
- 使用電力 550wh
追加検証⑨ Anker PowerHouse II 800
- 機種 Anker PowerHouse II 800
- 電気毛布枚数 2枚
- 外気温平均 1.6℃
- 最低外気温 0.4℃
- 電気毛布上の平均温度 26.5℃
- 電気毛布上の最高温度 30.1℃
- 使用できた時間 6時間05分
- 使用電力 650wh
追加検証⑩ Anker PowerHouse II 800
- 機種 Anker PowerHouse II 800
- 電気毛布枚数 1枚
- 外気温平均 0.7℃
- 最低外気温 -0.3℃
- 電気毛布上の平均温度 22.9℃
- 電気毛布上の最高温度 25.2℃
- 使用できた時間 10時間06分
- 使用電力 650wh
容量以外でポータブル電源を選ぶ際のポイント(電気毛布を使用)
- 正弦波に対応した製品を選ぶ
- PSEマークのついた製品を選ぶ
それぞれ詳しく解説していきます。
出力波形は正弦波に対応した製品を選ぶ
電気毛布を使用するなら、正弦波(純正弦波)のAC出力ができるポータブル電源を選んでください。
その理由は、正弦波(純正弦波)のAC出力以外の修正正弦波・矩形波のAC出力では、電気毛布が使用できないことがあるからです。
家庭で使われている電化製品のほとんどが正弦波を使う前提で設計されていますので、ポータブル電源は正弦波(純正弦波)対応の製品を選んでください。
PSEマークのついた製品を選ぶ
PSEマークは、電気用品安全法に基づき適合性検査に合格した製品に記載されるマークです。
楽しくキャンプする上でも、ポータブル電源の爆発や出火などのトラブルは未然に防ぎ自己防衛しておくべきです。
あまり聞かないメーカーや安価なポータブル電源を選ぶ際には、PSEマーク適合製品かどうかの確認をしましょう。
また、PSEマークがなくてもISO9001、UN38.8など世界基準の安全規格や品質テストに合格しているかどうかを調べて安全に使用できるポータブル電源であることを確認してから選ぶようにしてください。
電気毛布が使える!おすすめのポータブル電源
EENOUR P703
容量 | 710Wh |
---|---|
サイズ | 23.8cm x21.5cmx27.2cm |
重さ | 6.9kg |
大容量なのに軽いポータブル電源。
バッテリー残量や消費電力、入力電力、充電・給電の残り時間目安など、各種情報がわかりやすく表示されており、誰でも簡単に使用できます。
SmartTap PowerArQ3
容量 | 555Wh |
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サイズ | 23.0cm x 29.5cm x 22.5cm |
重さ | 7.9kg |
4色展開であなたのキャンプスタイルに合わせたカラーを選ぶことができます。
自由に脱着できるバッテリー交換システム採用で、容量の追加・カスタマイズが容易にできます。
ECOFLOW RIVER Max
容量 | 576Wh |
---|---|
サイズ | 28.9cm x 18.4cm x 23.5cm |
重さ | 7.8kg |
「X-Boostテクノロジー」「X-Streamシステム」など独自のシステムでコンパクトで万能なポータブル電源です。
ハイテックなデザインと発光色を変更できるLEDライトが特徴的で黒系のギアと相性がいいポータブル電源。
SmartTap PowerArQ
容量 | 626Wh |
---|---|
サイズ | 24.2cm x 30.0cm x 19.3cm |
重さ | 6kg |
6色展開であなたのキャンプスタイルに合わせたカラーを選ぶことができます。
コストパフォーマンスが高く、大容量でオシャレキャンプにも合わせられる、実用的なポータブル電源です。
Jackery ポータブル電源 708
容量 | 708Wh |
---|---|
サイズ | 30cm x 19.1cm x 19cm |
重さ | 6.8kg |
安全と信頼感があるブランドJackeryの中容量のポータブル電源。
シンプルで使いやすく、保証期間も2年と長いのがポイントです。
ファミリーキャンプ向けのポータブル電源です。
ECOFLOW RIVER Pro
容量 | 720Wh |
---|---|
サイズ | 28.9cmx18.0cmx23.5cm |
重さ | 7.6kg |
ECOFLOW RIVERシリーズの最上位機種。
専用のエクストラバッテリーを追加することで、容量2倍の1440Wh超大容量のポータブル電源となります。
Anker PowerHouse II 800
容量 | 778Wh |
---|---|
サイズ | 30.0cmx18.5cmx20.43cm |
重さ | 8.3kg |
大容量のバッテリーを搭載していますが、充電時間の短さとポート数の多さで人数の多いキャンプで重宝します。
Jackery ポータブル電源 1000
容量 | 1002Wh |
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サイズ | 33.2cmx23.3cmx24.3cm |
重さ | 10.6kg |
安全と信頼感があるブランドJackeryの大容量のポータブル電源。
大容量・高出力なポータブル電源で、ファミリーキャンプや2泊以上のキャンプに向いています。
Jackery ポータブル電源 1500
容量 | 1534Wh |
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サイズ | 35.5mx25.3cmx26.5cm |
重さ | 16kg |
ポータブル電源のメジャーブランドJackery最高峰モデル。電子レンジやドライヤーも使え、電化製品を自宅と変わらずに使用できます。
連泊、ファミリーキャンプ、グループキャンプ向き。
EENOUR EB120
容量 | 1200Wh |
---|---|
サイズ | 29.3cmx16.5cmx36.4cm |
重さ | 12.6kg |
超大容量ですが、小型でスリムなポータブル電源。
容量が1200Whと大きく大人数向けのキャンプにも対応できますが、ソロで3〜4泊する使い方もできます。
ECOFLOW EFDELTA
容量 | 1260Wh |
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サイズ | 40cmx21cmx27cm |
重さ | 14kg |
超大容量ですが、AC電源からは1時間で80%充電できるスピードがあり、電源をたくさん使用するキャンパーさん向きのポータブル電源。
最後に電気毛布の電気代について
各電気毛布の取扱説明書をみてみるとおおよその電気代が記載されています。
計算式は
電気代=1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)
となっており
一般的な電気代の単価が1kWhあたりの料金単価を27円/kWhですので1時間あたりの電気代を算出できます。
1人用サイズ(130×80cm)の強で使用した場合、1時間あたりの消費電力はおおよそ27Whですので、計算式に当てはめると
0.027kW×1時間×27円=0.729円(←1時間あたりの電気代です)
1日8時間使用で(5.8円)1ヶ月30日で(約175円)
となります。
まとめ
電気毛布を使用するキャンプを前提に、ポータブル電源の選び方やオススメのポータブル電源を紹介しました。
価格の安いポータブル電源でも出力波形が正弦波の製品を選べば、電気毛布の使用は可能です。
ですが、安価なポータブル電源では、発火や熱暴走などトラブルも報告されており、相場よりも大幅に低価格なポータブル電源を選ぶ際には、PSEマークやその他の安全基準をクリアしている安全基準の高い製品を選ぶようにしてください。
寒い時期に電気毛布を使用したキャンプでは、使用する電気容量も大きくなります。
サイズ、重さ、価格などあなたのキャンプスタイルに合ったポータブル電源を選ぶ参考にしてみてください。