アウトドアで便利に使えるシングルバーナー等の火器、キャンプに出かける方なら1台は所有している道具だと思います。
焚火とちがって、好きな時にワンタッチで調理ができて便利です。
しかし、燃料にはガスカードリッジを使用するので、使用方法を間違えると大事故につながる恐れがあります。
毎年のようにニュースで、車内に置いていたガス缶や冷却スプレーが爆発した事故を目にします。小さなガスカードリッジでも車が吹き飛ぶほどの破壊力があるようですね。
今回は、ガスカードリッジを安全にお使いいただくための注意点をお伝えしようと思います。
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ガスカードリッジを安全に保管するには?
ガス缶の中には液化したガスが注入されています。もし、ガス缶に穴が開いてしまうと、勢いよくガスが噴き出します。
保管は落下のリスクのない場所、子供の手が届く場所は避けてください。
湿気のある場所で保管するとガス缶にサビが発生することがあります。
サビからのガスカードリッジの腐食は事故につながります。時々ガスカードリッジの状態を確認するように心がけましょう。
シングルバーナーなどの火器を接続したままの保管も事故につながります。
私の体験ですが、調理が終わった後、バーナーとガスを接続したまま地面に放置してしまったことがあります。
夜間にトイレに行く際に、誤ってバーナーを踏んでしまい、OD缶のノズル部分が曲がってガス漏れが発生しました。
めんどうですが、使用するたびに外して保管することをオススメします。
キャンプから帰った後に大変なのが後片付けです。
長時間の運転を終えて夜中に家に到着し、「片付けは明日でいいや」と思うこともありますよね?そんな時はガス缶だけは家の中にしまってください。ガス缶の注意書きにも記載されていますが、気温が40度を超える場所は危険です。
40度以上になると、ガスカードリッジ内の圧力が高まり、液化していたガスが缶の中で気化して爆発の恐れがあります。
夏場の炎天下のなかでは、車内の温度が50度をこえることもあります。
車内はもちろんのこと、夏場のアスファルトや砂浜の上での放置も同様に事故のリスクがあるのでご注意ください。
ガスカードリッジの使用が厳禁な場所
車内やテント内でのガスカードリッジの使用もやめてください。
ガス缶の使用は大量の酸素を使います。
換気がない場所では一酸化炭素(CO)中毒や酸欠になるリスクがあります。
私の場合、雨天の日にテントの全室で使用することがあります、その際には必ず片方の全室は全開にして、換気を促すように注意しています。
不安な方には一酸化炭素警報機という便利な道具もありますよ。
ガス缶の危険な使用方法
ガス缶を40度以上の場所に放置すると、爆発の恐れがあるとお伝えしました。
同様に、ガス缶を誤って使用すると爆発のリスクがあります。
バーナーの炎からガスカードリッジへ伝わる熱を輻射熱(ふくしゃねつ)といいます。誤った使い方をすると、この輻射熱でガスカードリッジが過剰に温まり、非常に危険です。
ガス缶を覆って使用しない
シングルバーナーを使うときに風防を利用する方もいると思います。
風防で絶対にバーナーを囲まないでください。
バーナーを全て囲んでしまうと、輻射熱の逃げ場が無くなり危険です。
ゴトクよりも大きな鍋の長時間使用はしない
シングルバーナーのゴトクよりも大きい鍋を使った、長時間の調理も危険です。極端に大きな鍋での煮込み料理は避けたほうがいいでしょう。
シングルバーナーを2台以上並べて使用しない
シングルバーナーをツーバーナーのように2台以上並べての使用も危険です。
2台使いには念のため1メートル程は離したほうが良いです。
炭起こしに使用しない
焚火で炭を起こすのが面倒な時もありますよね?そんな時にシングルバーナーを安易に利用してしまいがちですが、温まった炭は大量の輻射熱を発するので危険です。
ガス缶を使った炭起こしにはトーチバーナーを使用してください。
輻射熱が伝わりにくいバーナー
OD缶を使用する、ほとんどのシングルバーナーがガスカードリッジの上にシングルバーナーを接続するタイプです。
CB缶を使用するシングルバーナーは、ほとんどがガスカードリッジの横に接続するタイプです。
いずれのタイプのシングルバーナーも、バーナーからの輻射熱が直にガスカードリッジに当たってしまうことが弱点です。
輻射熱による事故のリスクが低いバーナーもあります。
ガス缶とバーナー部分との距離がある分離型のバーナーです。
OB缶・CB缶共に1体型のバーナーよりも種類は少ないですが、販売されています。
ツーバーナーも輻射熱が伝わりにくく作られています。
こういったタイプのバーナーならばダッチオーブンや大きな鍋での調理も安心ですね。
CB缶からOD缶へのガスの詰め替えは大丈夫?
OD缶はCB缶よりも価格が高く、OB缶を使うシングルバーナーのユーザーにとって、コスパが悪いことが気がかりです。そんな方のためにCB缶からOD缶へガスの詰め替えができる変換アダプターが販売されています。
ただしOD缶へのガスの再充填は、全てのメーカーが禁止しています。正しいガスカードリッジの使用法ではございません。ガスを移す際にガス漏れが発生して引火や爆発の恐れがあります。事故を起こしてしまってもメーカーの保証を受けられません。
ガス缶への詰め替えはオススメできません。
OD缶・CD缶の規格にかかわる事故
OD缶の規格と互換性
OD缶は規格が統一されていないので、ガス缶のノズルの形や大きさがメーカーごとに異なります。
上の写真では同じに見えますが、右のガス缶のほうがやや大きめです。
ノズルの高さや形も違うので、他社メーカー同士の互換性がありません。
各社のOD缶にも「当社の製品以外の器具には絶対に使用しないでください」といった内容が必ず明記されています。
実際にはOD缶にメーカー違いの器具を接続できることもあります。
ただ、微妙なサイズの違いからノズル部分の破損につながり、ガス漏れの恐れがあります。
OD缶と使用する器具はメーカーをそろえて使いましょう。
CB缶の規格と互換性
CB缶は規格の見直しが行われ、すべての缶が同じサイズに統一されました。
規格が同じなので、ガス缶とバーナーが違っても使用が可能です。互換性があります。
ただ、CB缶に関しても各メーカーが同社のCB缶を使用するように推奨しています。
個人的には事故につながる可能性は低いと思いますが、不安な方はCB缶と使用する器具は同じメーカーのものにしてくださいね。
バーナーの整備不良による事故
意外と盲点ですが、使用するバーナーに問題があり、ガス漏れから爆発事故につながることもあります。
バーナーを裏返しにして、ガス缶との接続部分を見てみましょう。
内側にガス漏れ防止のためのゴム製のOリングがあります。このリングが劣化して、ひび割れるとガス漏れがおこります。
また、内側の中心にあるピンが曲がることもガス漏れの原因になります。
使用前には必ずチェックを心掛けましょう。
使い終わったガスカードリッジの捨て方
ガスカードリッジは完全に中身を使い終わってからゴミに出すようにしてください。
中身が残っているガス缶に穴を開けるのは非常に危険です。実際に回収先や回収途中で穴が開き、引火、爆発に至ったケースもあるようです。
使い切ったガスカードリッジは缶をふっても「シャカシャカ」と音が鳴りません。
確認の目安にしてください。中身が無いことを確認したら、缶切り等で穴をあけてください。
穴あけは必ず換気がある場所で行い、火のそばでは行わないようにしてくださいね。
※穴あけが推奨されていない地域もあるようです。詳しくは自治体にご確認ください。
まとめ
ガスカードリッジは扱いが手軽なので、初心者の方だけではなく、扱いに慣れた方ほど安全な使用方法を見落としがちです。
ときどきは自分の使い方を見直すことも大切です。安全に使用して楽しいアウトドアライフを満喫しましょう!