キャンプで使う調理用品の一つである「鍋」。
一体何から揃えればいいの?と迷っている方、何を買い足せばいい?とお考えの方におすすめなのがメスティン。
これ1つでご飯を炊いたり、パスタを茹でたり、様々な料理を作ることができます。
既にメスティンを購入しようと検討を始めた方は、ネットショップで一部の製品の値段が高騰しているのを目にしているかもしれません。
昨今のキャンプブームで、中には定価よりかなり高い価格で市場に出回っている製品があるのも確かです。
そんな方に是非知って頂きたいことがあります。
本記事ではまずメスティンとは何か?の説明と、製品のスペック比較、おすすめメスティンをご紹介していきます。
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トランギア以外のメスティンは偽物…?
メスティンと言うと一部のブランドの製品名称と思っている方、いませんか?つまり、他ブランドから発売されているメスティンは偽物ということ…?結論から言うと、その知識は間違っています。
メスティンとは「アルミでできた飯盒」を指す一般的な用語であり、一部のブランドのものではありません。
ということは、例えば各メーカーから販売されているテントから自分に合ったものを選んで購入するように、メスティンも各メーカーから販売されている製品を比較して、自分に合ったものを手に入れれば良いということですね。
ちなみにMiliCampメスティンの商品同封のメッセージカードには
メスティン(mess tin)とは、アルミ製の飯盒のことです。
食器やお弁当箱として、またフライパンやお鍋の替わりにしていろいろな料理も作ることができる便利なクッカーでもあるのです。
とあります。
メスティン=トランギアのイメージが強すぎてしまった結果こうなってしまったんですね。
改めて メスティンとは
メスティンとは、一般的に取手の付いた薄手のアルミでできている飯盒(ごう)のことを指します。
アルミは熱伝導率が高いため、熱が全体に回り、アルコールバーナーでもごはんをふっくらと美味しく炊くことができます。
アルミ製なので重量がとても軽いのも人気の秘密。容量により、1~4合程度のお米を簡単に炊くことができます。
キャンプ用品として作られているメスティンですが、1人分のご飯を気軽に炊けるという点で最近ではおうちごはん用としてご自宅で使っている方も多いようですよ。
メスティン スペック比較
ちょっと調べてみるだけでも、様々なメーカーがメスティンを販売していることがわかります。
下記では手に入りやすいメスティンのスペックを一気に比較していきます。
ブランド・製品名 | 重量(約) | サイズ(約) | 容量(約) | 定価 | 炊飯の目安(約) |
トランギア TR-210 | 150g | 17×9.5×6.2cm | 750ml | 1,628円(税抜) | 1.8合まで |
トランギア TR-209 | 270g | 20.7×13.5×7cm | 1,350ml | 2,500円(税抜) | 3.5合まで |
山善 MESS-1 | 160g | 17×9.5×6cm | 850ml | 1,999円(税込) | 1.8合まで |
ニトリ メスティン | 160g | 16×9×6cm | 750ml | 1,628円(税抜) | 1.8合まで |
MiliCamp MR-250 | 165g | 16.5×9.5×6.5cm | 800ml | 1,750円(税抜) | 2.0合まで |
MiliCamp MR-750 | 280g | 19x13x7cm | 1,580ml | 2,980円(税抜) | 4.0合まで |
ダイソー メスティン | 103g | 15×8×5cm | 500ml | 500円(税抜) | 1.0合まで |
それぞれのメスティンを写真で比較
左からMiliCamp ダイソー トランギア
唯一、トランギアは蓋が止まる部分が膨らんでいてピッタリと蓋の隙間を埋めるような構造になっています。
MiliCampとダイソーは若干ですが蓋と本体の間に隙間があるので炊飯した時の気圧や熱対流に違いは出そうです。
それぞれ蓋を開けるとこんな感じ。
厚みはトランギアは他と比べて薄く感じます。
グロメットはトランギアは2つでMiliCampとダイソーは3つ。どれも特に問題なさそう。
ここからはそれぞれのメスティンの紹介をいします。
トランギア TR-210
トランギアは1925年にスウェーデンで創設され、家庭用のアルミ製調理器具の製造から始まったブランドです。
TR-210はトランギアが発売しているメスティンの中では小さい方の位置づけです。とは言え、1.8合まで炊くことができるので2-3人分くらいのご飯は準備できるということですね。
ハンドルは取り外しが可能になっています。
また、購入した状態だとフチにバリが残っていることが多いため、使用する前にバリ取りすることをお奨めします。
トランギア TR-209
TR-209はトランギアメスティンの大きい方の位置づけの製品です。
サイズはTR-210よりひと回り大きく、3.5合までのお米を炊くことができるので、3-4人でキャンプに行く方におすすめです。
こちらもバリ取りが必要な点はTR-210と同様です。
大きい分、鍋としての活躍も期待できます。
MiliCamp(ミリキャンプ)メスティンMR-250
MiliCamp MR-250はMiliCampが発売しているメスティンのうちの小さい方です。
MiliCampのメスティンはこれらの製品の中で唯一ブランドロゴが入っており、ちょっとしたアクセントとなっています。
WebサイトにはドイツLFGB食品安全テストを検定済みとの記載があります。また、別売りでハンドルカバー、収納ケースも発売されていますのでMiliCampで一式揃えて行くのも楽しそうです。
MiliCampメスティンの本体側には蓋が重なる部分に凸凹を付けた絞り加工がありません。
使い勝手は絞り加工があるものと大きくは変わらず、面がフラットな分洗いやすいというメリットがあります。
MiliCamp(ミリキャンプ)メスティン MR-750
MiliCamp MR-750は今回比較する製品の中では一番大きく、4合までお米を炊くことができます。
収納時はこの中にMR-250もすっぽり入る大きさなので、サイズを揃えてスタッキングすることができます。
山善 メスティンMESS-1
MESS-1は、山善が手掛けるアウトドアブランド「Campers Collection(キャンパーズコレクション)」から発売されています。
サイズはトランギアTR-210(小さい方)とほぼ同等となっています。
ハンドルはトランギア同様、取り外しが可能です。
こちらの製品はフチのバリ取りが不要と親切な作りになっているのがポイントです。
ニトリ メスティン
おなじみのニトリからもメスティンが販売されています。
容量はトランギアTR-210(小さい方)と同様の750mlです。
値段は1,628円(税抜)とお手頃ですね。ニトリのメスティンも、山善同様フチのバリ取りが必要ありません。
パッケージを良く見てみると「MESS-1」とあり、パッケージの裏側には「山善」の文字が記載されています。
実はニトリのメスティンは山善製であるということがわかります。
1.8合までの炊飯が可能ですので、2-3人でのキャンプに向いている製品です。
ダイソー メスティン
ダイソーのメスティンはこれらの製品の中では最も小さく、ソロキャンパーの方におすすめです。
小さいとは言え、1合まで炊飯ができるので量としては遜色ないですね。その価格はなんと500円!この価格であればお試しで買ってみたい方にもおすすめですし、人数分揃えて炊飯し、そのままお皿替わりにカレーなどをかけて食べる、という使い方もできそうです。
メスティンの基本的な使い方!使用する前の準備
メスティンは初めて使用する前にちょっとした下準備をしておくと、気持ちよく使うことができます。
準備の1つ目は、バリ取り。
メスティンの本体と蓋のフチの部分が製造過程で切りっぱなしになっているために、触れた時に指を切ってしまう可能性があります。
100円ショップなどで手に入る目の詰まった紙やすりでフチを軽く磨くことによりギザギザが取れ、安心して使うことができます。
紙やすりはまず200~300番台のものを使ってバリ取りし、その後400番台以上の細目のもので磨いておくと良いでしょう。
準備の2つ目はシーズニング。
アルミ独特の臭いを消すために、お米のとぎ汁をメスティンに入れて15~30分程火にかけます。
とぎ汁を捨てて乾かした後、次に底の焦げ付きを防ぐために、多めに植物油を入れて煙が出るため熱し野菜の切りくずなどを10分程炒めます。
その時フチの方まで油がなじむように伸ばすのがポイントです。
シーズニングの2つの工程を自宅で済ませておくことで、アウトドアでメスティンを快適に使用することができます。
メスティンでごはんを炊こう
メスティンを使った炊飯で、最も簡単で失敗がないのが固形燃料を使用する方法です。
固形燃料は100円ショップでも販売されています。
1個の固形燃料が燃焼する時間と炊飯にかかる時間が同じであるため、固形燃料に火を付けたらほったらかしで良いのがポイントです。
失敗なく美味しいごはんを炊く準備ポイントが3つありますのでご紹介しておきます。
1つ目は、お米を30分程水につけておきしっかりと吸水させること。
お米を洗いお米をつけ置きします。
1合お米を洗うのはセリアのシェラカップと同じ大きさのザルがとても便利です。
例えばテント設営前にお米を水につけ始め、設営後すぐに炊飯に取り掛かるなど、時間を逆算して準備しておくと良いでしょう。
30分くらいであれば、山の雄大な景色を眺めながらゆっくり待つのもキャンプの醍醐味かもしれませんね。
2つ目のポイントはお米の量に合わせて、水の量をしっかりと計ること。
お米1に対し、1.2~1.3の水を本体に入れます。
メモリ付きのキャンプギアがあるとわかりやすいです。(米1合に対して水200ml)
容量750mlのメスティンの場合、水は本体内側に見えるグロメット(取っ手と本体のつなぎ目)の中央まで入れるとちょうどよい量になります。
3つ目は燃料のまわりに風防を置いておくこと。
風が強いと火が均一にあたらないため炊飯のムラができやすくなってしまいます。
(室内なので風防はなしです)
固形燃料に火を付けたら、燃えている間は蓋を開けたりせずひたすら放置でOKです。
しばらくして湯気が出てきたら蓋の上に重しとなる石などを置き、蓋が浮かないようにします。
やがて固形燃料の火が消えたら、次は蒸らしの時間です。
メスティンを保温するためにアルミホイルやタオルなどでくるみ、上下ひっくり返して10分ほど置いておきます。
すると、ふっくらと美味しいごはんの出来上がり。
メスティンは片手で持てるサイズなので、そのままお皿代わりとして直で食べることもできます。
固形燃料の他、もちろんバーナーでの炊飯も可能です。
バーナーで炊飯する場合も弱火を保ち、火力の調整は必要ありません。
しばらくしてパチパチと音がしてきたら火を止めます。
ある程度標高のある場所で炊飯する場合は、通常よりも炊き上がりまでに時間がかかりますので様子を見ながら挑戦してみてください。
料理のバリエーションをプラスするならメッシュトレイを
メスティンはそのままでも飯盒(ごう)、鍋としての使用が可能ですが、メッシュトレイを投入することで蒸し料理やなんと燻製も可能になりますので是非チャレンジしてみましょう。
メスティンの底に置くメッシュトレイは各ブランドからも専用の製品が販売されていますが、実はノーブランドのものが安価で狙い目です。
サイズが細かく展開されている製品から選ぶことで、手持ちのメスティンにぴったりと合わせることができます。
収納時はメッシュトレイをそのまま本体に入れておけば移動時も便利です。
おすすめのメスティンはどれ?
今回ご紹介したメスティンはいずれも薄手のアルミ製で、パーツも本体・蓋・取っ手のみと少ないため、使用感にそれほど大きな違いはありません。
価格が高騰しているブランドを追うのも良いですが、値段を抑えるところは抑えてその分他のギアに予算をかける、というのも賢いキャンパーと言えるのではないかと思いました。それぞれご自身のキャンプスタイルに合わせ、納得のいく製品を選んでアウトドアを楽しみましょう!