キャンプに魅了されある程度キャンプに対する知識が深まった頃、自然の楽しみ方に変化を求める方も少なくありません。
より自然と近い位置で気軽に快適なキャンプを楽しみたいと考える人も多いと思います。
そんな時にテント泊から少しレベルを上げた楽しみ方の一つとして挙げられるのがタープ泊です。
タープ泊と聞くと専門的な知識も必要で一気にハードルが上がった印象を受ける方も多いかと思います。
確かにテント泊に比べると難しい点もありますが、張り方や注意点などをしっかり理解しておくことで安全かつ快適にタープ泊を楽しむことができます。
タープ泊は良くも悪くもテント泊に比べて自然の影響を受けやすい楽しみ方です。
自然がもたらす影響をどれだけ凌げるかといった点が快適性に大きく関わってきます。
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タープがあれば野営ができる!雨・風・夜露を凌ぐ重要性
雨・風を凌ぐ重要性
タープ泊を楽しむ際には雨や風をどれほど凌げるかが非常に重要です。
雨を凌ぐ工夫が甘いと大切な道具を濡らしてしまったり、タープ内に雨水が侵入することにより快適性が損なわれてしまいます。
また、テントの場合はポールがテントの骨組みとなっているため風にも強い作りとなっておりますが、タープの場合張り方によっては風の影響を大きく受けてしまいます。天候に合わせて張り方にも工夫が必要となります。
夜露を凌ぐ重要性
春や秋冬キャンプのほか、標高の高いキャンプ場では必ずといっていいほど夜露の影響を受けます。
その影響はテント、タープ問わず受けてしまうものですが、テントの場合はインナーテントが付属している場合が多いため、直接的な被害は少ない場合が多いです。
タープ泊を楽しむ場合もタープの中にインナーテントの役割を果たすものがあれば問題ありませんが、タープ一枚で泊まる場合は、夜露の度合いによっては泊中まで水滴が侵入し雨漏りのような状況を作り出してしまう可能性があります。
完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、しっかりと対策をして快適性を高めることが重要です。
タープ泊で軽量化するメリット
タープ泊はテント泊に比べるとコンパクトかつ軽量化できるメリットがありますが、ほかにもタープ泊はソロキャンパーに嬉しいメリットが存在します。
代表的なメリットについてご紹介します。
他の道具を増やせる
テントはキャンプ道具の中でも大きくてかさばる道具として上位に挙げられます。
ソロ用のコンパクトなものでも、他の道具に比べるとどうしてもかさばってしまいますよね。
そんなテントの代わりにタープを用いることで、車のトランクやバックパックに大きなゆとりが生まれます。
キャンプに持って行きたいけどかさばってしまうからなくなく諦めたという道具についても空いたスペースを有効に活用し、見事選抜入りさせることができます。
アクティブに移動できる
他の道具を増やさずに全体の総重量を軽減することで移動が大変楽になります。
歩いてキャンプ地を移動する場合は少しでも荷物は軽いほうが嬉しいですよね。
テントとタープ、それほど大きな差はないと感じるかもしれませんが、移動距離が長ければ長いほど道具の微々たる軽量化にもありがたみを感じます。
設営・撤収がスムーズ
一般的なテントの設営工程を考えると収納から取り出してグランドシートを敷き、ポールを組み立ててテントへ装着、その後立ち上げてペグダウンと様々な工程が存在します。
天気が良い日にはあまり気にならないかもしれませんが、悪天候の時はなるべくスムーズに設営して雨や風を防げる空間をいち早く作りたいですよね。
その点タープは構成が単純なメリットを活かせます。
設営に関しては慣れるまで時間がかかってしまうかもしれませんが、撤収は初心者でも簡単かつスムーズに行えます。
状況に応じて張り方を変えられるメリット
天候によって張り方を変えられる
テント泊の場合、夏場の暑い日は開閉部をメッシュにするなどして風通しを良くしたり、また悪天候の日はジップを全て閉まることで密閉性を高めることができますが、タープの場合は貼り方どのものを変えることで天候に応じたベストな形を作ることができます。
タープという限られた道具が工夫次第で様々な形に変化しながら通年通してテントの役割を果たせるのは非常に大きなメリットです。
地形によって張り方を変えられる
タープを張る場所は常に整備された平地とは限りません。
時には傾斜のある地面や、十分なスペースを確保できず狭い場所に立てなければならないシーンもあり得ます。
テントの場合は骨組みがあることでテントのサイズが固定されるため、決まったスペースが確保できなければ設営するのが困難ですが、タープの場合、自由度が高いためスペースによる影響はあまり気になりません。
狭いスペースでは居住スペースも狭く取り、広い場所ではタープも大胆に広げて快適空間を作るなど自由自在です。
夏は蚊帳で虫対策
虫が多い時期にタープ泊を楽しむ場合はどうしてもタープだけだと蚊に刺されたり、ハチやアブなどを気にしながら幕内で過ごすことに少しストレスを感じます。
そこで、開放感を損なわずに虫対策をとる方法として蚊帳を付ける方法があります。
設置も非常に簡単でたたんで収納するとかなり小さくまとめることができるので追加の荷物としてもそれほど気になりません。
蚊取り線香や虫除けスプレーと併用することで虫が多い季節でも快適にタープ泊を楽しむことができます。
ハンモックでより快適に
近年じわじわとワンモック泊を楽しまれる方も増えてきましたが、ハンモックも製品によって蚊帳のように使用で着るものがありますので虫対策には最適です。
また通常の蚊帳と異なる点として地面に直接体が触れないため、地面の硬さにより体が痛くなってしまう問題を回避できます。
快適性を重視してタープ内にマットを敷かれるキャンパーも多く見受けられますが、荷物の軽量化を重視される方はマットなしでも問題なく寝られます。
寒い時期にはそれなりの防寒対策が必要ですが、寒さが気にならない時期はコンパクトなタープとハンモックだけで快適な空間を作り出すことができるのでオススメです。
冬はクローズドで冷気対策
出入り口はカラビナでクローズ
冬は基本的にクローズドスタイルができる張り方を用います。
出入り口はグロメットにカラビナを取り付けることで簡単に閉じることができます。
タープ泊の場合はテントのように出入り口がジップ式でないためどうしても完全に閉じることは難しくなります。
出入り口のカラビナの数を増やすことで隙間を少なくし、また風などの影響で出入り口がパタパタと不快に煽られるのを軽減できます。
その反面、出入りする際にカラビナを外す手間が増えてしまうため注意しましょう。
落ち葉や石を利用して隙間を減らす
テントには地面に設置する部分にスカートという冷気の侵入を防ぐ役割を担う部分が付属している物もあります。
スカートがあることによって隙間が埋まり、風や雨、雪などをシャットアウトできるため大変便利なのですが、タープにはスカートが付いていません。
スカートが付いていないとどうしても地面との間に小さな隙間ができてしまいます。
暑い時期には空気の通り道となるのでむしろメリットにもなるのですが、寒い時期は小さな隙間も気になってしまいがちです。
対策として落ち葉や石を集めてタープの周りに重ねることで隙間を埋めることができ、見た目的にもより自然との一体感が感じられます。
タープ泊にコットは必要?
基本的にはなくても良い
結論からいうと基本的にはなくても良いと言えるでしょう。
もちろんオートキャンプ場のように車を横付けできて荷物の積載量をあまり気にしなくていいような恵まれた環境においてはコットを持って行くことでより快適に眠ることができますが、選び抜かれた最小限の限られた荷物を野山へ持って行くことを考えるとコットよりも優先順位の高いものは他にたくさんあるので、道具の中からコットが選抜落ちすることも多いです。
バックパックの場合は不要
バックパックの場合は荷物をコンパクトかつ軽量にまとめるのが鉄則です。
最近はコンパクトなコットも増えてきましたが、それでもある程度のサイズと重量は否めません。
バックパックのみでブッシュクラフトを楽しむ場合はパタパタマットなど軽量なものを選んだ方が負担も少なく、また座布団がわりにも利用できるのでおすすめです。
快適さを求めるならあると快適
とはいえコットを全否定するわけでは決してございません。
キャンプを楽しむ上で何を重要視するのかは人それぞれです。
食事を重要視する人、焚き火を眺める時間を重要視する人のように、睡眠の質を重要と捉えるキャンパーも多くいます。
睡眠のパフォーマンスを上げるために、多少の犠牲は払ってでもコットを用いて快適な睡眠をとり、万全な状態で翌朝を迎えるのも良いでしょう。
自分にとって何が重要であるかを考えることが大切です。
防犯面には注意(オープンの場合)
道具の管理に注意
オープンスタイルは開放的で大胆に自然を感じられる反面、防犯には注意が必要です。
近くを散策したり、シャワーを浴びに離れる際、テントの場合は室内に道具をしまっておいたり、サンダルをおいて人がいるように見せかけたりといくつか防犯対策の工夫が挙げられますが、オープンスタイルでタープ泊をする場合は人がいるかいないかは一目で丸わかりです。
大切な道具を盗まれないためにも、タープを離れる場合はある程度道具をバックパックにまとめてバックパックと共に行動するのが安心です。
また、長時間離れるケースが事前に想定される場合、高価な道具は最初から持ってこないという方法も考えた方が良いでしょう。
食べ物放置も注意
道具のみならず食べ物の放置も注意が必要です。
特に気温の高い時期は食べ物の痛みも早くなるので、生物は少し放置しただけで異臭を放ってしまうことがあります。
生物は食べる分以外はクーラーボックスで管理し、残ってしまったものは出しっ放しにせずにクーラーボックスで管理するか袋に入れて密封しましょう。
秋にかけては気温が落ち着いてきますが、動物が冬眠準備を始める時期にもあたりますので生物に限らず食べ物を出しっ放しにするのは危険です。
タープ泊におすすめDDタープは張り方が自在
タープ泊ではすでにおなじみのDDタープ。
張り方が自在で様々な状況に応じた張り方が楽しめます。
DDタープでどのような張り方が楽しめるのか、初心者の方にもわかりやすいように定番の張り方を10選ご紹介します。
DDタープ泊の張り方10選
まずはオープンなスタイルのタープ泊の張り方
Aフレーム ポールあり
Aフレームは他のタープでもよく見かける定番の張り方です。
両サイドにポールを立てることで広い空間を取りながら日陰も大きく作ることができるので複数人での利用にもおすすめの立て方です。
立て方もシンプルなので初心者にもおすすめです。
Aフレーム ポールなし
Aフレームはちょうど良い木が見つかればポールがなくても設営できる張り方です。
ポールを立てていないため出入り口がより開放的でスムーズに出入りできます。
ポールありと比べて高さを出すのは難しいのでソロ向けの張り方です。
ダイヤモンド張り
高さのある大胆な入口が特徴的な張り方です。高さがあるので雨天時もタープ下で焚き火をすることが可能となります。
タープ中央部からロープを引くことで居室をより広げることが出来ます。
開放的なので太陽の位置によっては日光が当たりやすくなってしまうのと、高さがある分強風の際には風に煽られやすいといったデメリットが挙げられます。
差掛け式シェルター
差掛け式シェルターは、背面を完全に覆うことが出来ます。
他のキャンパーが近くにいる場合、そちら側をタープで覆うことでプライベートが確保できます。
前面にも屋根がついているため日差しや雨を避けながらも自然の景色を楽しむことが出来ます。
間口が広いシェルター
タープの形をそのまま利用しているため屋根を大きく作ることができ、必然的に屋根付きの居住空間も広く取ることができます。
その反面、雨や風の影響を受けやすくなってしまうため、天気の良い穏やかな日に活用されることをおすすめします。
つづいてクローズスタイルのタープ泊の張り方
ステルス張り
ステルス張りはかなりテントの形状に近い張り方です。
広さや高さも十分でプライベートも確保できるのでおすすめの張り方ですが、他の張り方と比較すると少し複雑になるため注意が必要です。
タープ内は3×3でも十分な広さ
ビークフライ
ビークフライはオープン、クローズそれぞれ楽しむことができる張り方で、タープ1枚でグランドシートの役割も担う便利な張り方です。
写真はクローズスタイル。
出入り口はカラビナを用いることで簡単に開閉でき、プライベートもばっちり確保できます。
高さがあるのでポールにライトを吊るしてみたりと工夫次第でよりテントに近い感覚で活用できます。
オープンスタイルでは正面以外はタープで覆われているため人目もあまり気になりません。
座って焚き火などを楽しむのもありですが真上は屋根がありませんので注意が必要です。
ここまではよく見かける定番の張り方をご紹介いたしましたが、他にも少し変わった張り方がいくつかありますのでご紹介します。
パスファインダー
ビークフライもよりテントに近い形状の張り方です。
室内は長方形型で横幅は少し狭くなりますが高さがあるのでそれほど狭さは気になりません。
むしろソロ用の小型テントとして考えるとちょうど良いサイズ感です。
デメリットとしては通気性があまりよくないため気温が高い季節にはあまりお勧めできない張り方です。
ハンモックでのタープ泊 Aフレーム
最初に紹介したAフレームをハンモック泊に応用した張り方です。
ハンモック泊では屋根を作って日差しや雨を防ぐ方が多いですが、この張り方はサイドからも雨や風を防ぐことができます。
寒さがきになる時期のハンモック泊には最適の張り方です。
周囲からも中の様子を確認しにくいのでプライベートを確保できます。
クローズを意識しすぎると空気がこもりがちなので、暑い季節には写真のような定番のオープンスタイルがおすすめです。
DDタープのサイズや色についてはこちらでまとめています。
タープ泊を快適にするおすすめアイテム
サーマレストマットなどマット
タープ泊ではテントのようにインナーテントやグランドシートが付属しませんので、最低限のマットを用意しておくと良いでしょう。
寝るときはもちろんのこと、起きている時間でも座布団として利用できるので、折りたたみチェアを用意するのは億劫だという方にもおすすめです。
敷物
いわゆるグランドシートの役目を果たす敷物は用意した方が良いでしょう。マットを用意したとしても地面に直接マットを敷いて寝るのは少し気が引けますよね。
敷物を1枚敷いておくことで地熱をシャットアウトし、地面の湿気も直に感じることはありません。
また地面が濡れている場合荷物を直置きするのは気が引けますが、敷物があれば荷物を濡らさずに置くことができて設営時も安心です。
冬は毛布や寝袋
タープ泊はテントに比べて暖かさを確保するのが難しく、非常に重要です。
暑い時期にはマットだけでも寝ることは可能ですが、その他の時期は基本的に寝袋等の寝具は必須です。加えて冬場は毛布なども用意されることをおすすめします。
寝袋の性能は幅広いので、冬に使用する寝袋は少し値が張っても、ダウンなど温かいものを用意した方が良いでしょう。
まとめ
タープ泊は難しい部分も多いですが、どうやったら快適に過ごすことができるのか模索しながら楽しむこともキャンプの楽しみの一つです。
今回ご紹介した内容を参考にしながら、他にもどのような工夫をすれば快適なタープ泊を楽しめるのか考えながら準備を進めてみてはいかがでしょうか。